さじここさんが新人日本語教師のときにやってよかったことってありますか?
そうですね…いろいろありますよ〜例えば、自分で授業をイチから考えてみるとか…いろんな本を読んで勉強するとか…
こんにちは、日本語教師のさじここです。
今回は私さじここが「新米日本語教師だったときからやっていてよかったこと」を紹介したいと思います。
- 日本語教師としてもっと成長したい
- 自分の授業に自信が持てない…
- もっとうまく文法などを教えられるようになりたい
- 最近、授業がマンネリ化してきている気がする…
こんな悩みを抱いている人って結構いるのではないでしょうか?
特に、最近はオンライン日本語教師が増えてきているので、周囲から指導されることや、悩みを他の先生と共有する環境が減ってきている気がします。
これからお伝えする内容は「日本語学校」で勤務していたときの経験談ですが、オンラインで教えている人にとっても何かヒントになるかもしれません😊
ぜひ最後までお読みいただけるとうれしいです。
やっていてよかったことその①:振り返りの習慣
私が新人日本語教師のころからやっていてよかったことの1つ目は「自分の授業の振り返りの習慣」です。
私は教案とは別に、時間配分や、その日絶対やらなければならない項目、引き継ぎの内容、学生へ伝える事務連絡をノートに手書きし、授業を行っています。
そして、その手書きのノートにその日の自分の授業の「よかったこと」「うまくいかなかったこと」「学生からの質問」の3点をその日のうちに書くようにしていました。
授業の準備はみなさんすると思うのですが、授業後の振り返りをしている人って結構少ないのではないでしょうか?
毎日授業に入っていると「授業準備で追われて、振り返る時間なんてない!」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんね…
当時の私も思いました😅
でも、試しにやってみたら、色々いいことがありましたよ!
授業をしてそれで終わりだと、次の授業を改善することができません。
やはり客観的に自分の授業を見る必要があります。
なかなか新人の頃はその日授業をこなすことにフォーカスされてしまって、余裕がなくなり視野が狭くなりがちです。
でも振り返る習慣をつけることで、学生の反応だったり、時間配分だったり、話すスピード、声のトーン等…いろんなことを授業内で意識していないと自分の授業を振り返ることはできないので、自分の視野が広くなります。
振り返る習慣がついた前と後の私の授業は、自分でもかなり違うと感じています😊
また振り返ることで反省しますから、自分自身のつまづくポイントがわかり、同じミスをしなくなりますよ😃
さらに、学生からの質問や文作での非文をメモしておくことで、それを次回の授業に活かすことができます。
新人のころは学生の非文がだめな理由をその場で伝えられなくて「ごめん、これは先生の宿題にします」と学生に謝っていました😅
そして、そのメモした文を講師室にいるベテランの先生に聞いて教えてもらったり、新人の先生同士でいろいろ調べて勉強しました。
「せっかくそこまでしたのだから絶対に記録として残したほうがいい!」と振り返りの一部として書いて、学生から絶対聞かれる項目として次の授業で気をつけたり、導入時の理解確認に使用したりしています。
また、日本語学校はたいてい3か月で1学期✕4タームかつ、新人のうちは初級レベルを担当することが多いため、自分が同じ課(たとえば、て形の導入課)を担当する確率が高いです。
初級クラスの1学期の授業スケジュールは教科書を変えない限り大きく変わることはないと思いますので、教える項目の時間配分はほとんど同じになります(たとえば1課を2日で教える…みたいな)。
しかし、文法によって学生の理解度はまちまちであるため、毎回同じ時間配分で進められるとは限らず、「その日の自分の担当分が終わらなかった〜〜〜!」なんてことも出てくるかも…😅
これはあるある話です😅
私は新人の頃よくこれにハマって、他の先生に迷惑をかけていました😣
でも時間配分をちゃんと記録し、適切だったか振り返るようになってから、授業のテンポがつかめるようになり、準備したスライドや練習を学生の理解度に合わせてやったり、スキップしたりできるようになり時間のコントロールが身につきました。
その結果、他の先生に迷惑をかけることはあまりなくなりましたよ。
新人のうちは迷惑をかけてしまうのは仕方がないことです。
でも、毎回自分の担当分が終わらず、翌日の先生にお願いすることになるのはちょっと……😓
その日の授業の文型導入や練習などの時間配分は適切だったかを振り返り、記録することで次も同じようなペースでやってもいいかどうかがわかりますから、次回担当する時に役に立ちますよ!!
ここからは余談です。
なぜ私が「授業後の振り返り」をノートに書こうと思ったのかというと、「ベイビーステップ」というテニスのマンガ↓がきっかけです😃
このマンガの主人公の男の子は平凡な身体能力なんですが、「眼がいい」ためにボールの動きや選手の動きを把握して詳細にノートに記録することができ、その記録データを駆使して戦略を立てて試合をしています。
この主人公は毎回試合後に自分のテニスを振り返る、試合中も振り返る…
とにかく振り返りを行って自分のテニスのフォームや相手のサーブを分析する!!
主人公は中学からテニスを始めたので技術的には周りに劣っています。
でも、持ち前の眼がいいこと記憶力、そして、地道にコツコツ努力することでどんどんテニスが上手になっていく…サクセスストーリーの漫画です😊
私はあまりスポーツ漫画に興味はありませんでしたが、この「ベイビーステップ」のストーリーにハマり一気読みしました(笑)(その上、マンガに感化されテニススクールにも通い始めてしまいましたよ…😂)
マンガの話なんですが、有名なスポーツ選手もやっている手法ということなので、読んでいるうちに「スポーツじゃないけど、自分も振り返りノートを取り入れてみたらいいかも!?」と思い始め、やることに…
本当に軽い気持ちでやり始めたことが今でもずっと続いています。
また、文野(2010)でも、日本語教育における教師の成長には先輩や権威者に頼る研修ではなく、「自己研修型」が望ましい述べられているので、「授業の振り返り」をノートに記録する行為は「自己研修型」の教師になることにつながり、自身の成長を促す行為になると思います。
最初の1〜2週間ぐらいは、めんどくさいですが、慣れてしまうとやらないと気持ち悪くなりますよ(笑)😅
これは、受験漫画として有名な『ドラゴン桜』でもよく出てくる「習慣化」のマジックです。
別にノートに手書きしなくても、スマホにメモしたり、日記アプリを使ったりしてもいいと思います。
書く内容ややり方よりもコツコツ続けることが大切です。
日本語教師としてずっと成長していきたい方はぜひ、試しにやってみてください。
【参考文献】文野峯子(2010)「教師の成長と授業分析」『日本語教育』(144) ,15-25〈https://doi.org/10.20721/nihongokyoiku.144.0_15〉
やっていてよかったことその②:わからないことは聞く
先述しましたが、新人のころはしょっちゅう学生から「AとB」の違いを聞かれて即答できませんでした……😓
もちろん、教案には学生から質問がきそうなポイントは予め文法書で調べたりしてメモしていました。
でも、私の守備範囲を超えたボールがどんどん学生から投下されるのです……😱
そして、そういうものって案外調べても載っていない…(というか調べ方が当時は甘かった)😱
もう、そうなると…お手上げ状態です……(泣)
皆さんだったら、その後どうしますか??
なんとなくわかったことを学生に伝えますか?
それとも、もっと他の書籍を読んで質問の答えを探しますか?
私は、そういうときは必ず、周りの先生にヘルプを出します。
それは今でもそうです😅
恥を忍んでそうしています。
だって一人で考えるのも限界がありますから……
私はたいてい同じ横並びのベテランの非常勤の先生にお願いし、教えてもらっていました。
私に捕まってしまう先生は本当に不幸だったと思います(笑)
私が納得するまで質問攻めにあうのですから…😅
その先生でも、答えを見つけることが難しい場合は、その先生がさらにベテランの先生を呼んで、よくみんなで一緒に考えたりしました。
今ではとてもいい思い出です😊
そう、この「わからないことは人に聞く」手法は、探している答えが見つかるだけでなく、周りの先生ともコミュニケーションがとれるという利点もあります!
どんどん周りの先生に助けを求めたおかげで、学生からの質問だけでなく自分の悩みも授業のやり方も相談する事ができ色んな話を他の先生とするチャンスができました。
私は基本、明るい性格であまり初対面の人に物怖じしないタイプです(笑)
そんな私でも日本語学校に勤め始めた頃、なかなか講師室に居場所がなくて、「気まずい…」とずっと感じていました。
「かといって先輩方の話題に入っていけない……」
「なんだ?この独特の雰囲気は……」
そんな気持ちを抱いている人もいらっしゃるのではないでしょうか?
以前の投稿「私が初めて日本語教師デビューしたときの話」でも書いたのですが、講師室にいる先生はみんなたいてい何かの作業をしているので、なかなか声をかけるきっかけがなかったりします。(もちろん学校や先生によります😅)
はたまた、今までずっとオンライン授業に切り替わっていて、上手くコミュニケーションとる方法を忘れてしまった…なんてこともあるかもしれません(笑)
なので、「わからないところ聞く」というチャンスは、ある意味「新人」のラッキーカードだと個人的に思っています😊
みんな最初はわからないことだらけです。
どの先生もだれかに教えてもらったはずですから、きっと親切にしてくれると思います。
恥ずかしがらずに勇気を出して、周りの先生に尋ねてどんどん学んでいきましょう!
(もちろん相手への配慮は必要ですよ!!)
新人の先生が学生のことを一生懸命考えている姿ってとても素敵なので、ぜひそういう自分を周囲の先生にも知ってもらいましょう!
学生と真摯に向き合うみなさんの姿はきっと他の先生にいい刺激になると思います。
当たり前のことですが、何でもかんでも聞けばいいということではありません😅
私は相手に聞くときは以下のことを気をつけています。
全部、社会人として当たり前のこと…ですね。
わざわざ書く必要はないと思いましたが、自分への自戒の念を込めて😅
でも、実際出会った新人さんの中には「何でもかんでも聞いてくる人」や「メモを取らない人」は…結構…います…😅
これらの行為をすると「相手の大切な時間を奪う人」になってしまうかもしれないので気をつけたほうがいいでしょう。
また、人に尋ねるときは「質問する時間」にも配慮が必要です。
【初めて日本語学校で働く人へ】事前に確認したほうがいいことという記事でも書きましたが、午前の授業が始まる前はあまり質問しないほうがいいかもしれません(←その理由はこの記事でご確認ください)
「相手への配慮」と「謙虚な姿勢」を忘れなければ、みなさん親切に教えてくれると思いますので、わからないことはそのままにせずに勇気を出して他の先生に聞いてみてくださいね😊
まとめ
今回は私の個人的な経験で「新人のころからやっていてよかったこと」をまとめました。
特に2番目に書いた「わからないことを聞く」という話は当たり前過ぎて、参考にならなかったかもしれません😅
でも、振り返りノートにはいろんな先生に聞いて教えてもらったことや先生の名言がたくさん残されていて、今の日本語教師の私を支えてくれています。
しかし、ベテランの先生だから正しいことを言っているとは限りません。
全てを鵜呑みにせずに自分の頭で検証することもまた勉強になります。
また、ベテランの先生というのは経験値がありますから、書籍などでは語られない部分のおもしろい話が聞けるかもしれません😊
私はそういう話を聞くのが好きでよく講師室で雑談をしていました。
なので、日本語学校で働く醍醐味の一つに、「他の先生とのコミュニケーション機会」があることだと思っています。
一緒のタイミングで入った先生とはご飯に行って「やってらんないよ〜!!」なんて愚痴ったりもしていましたよ(笑)
オンラインで教えているときはそんな刺激はありませんから、ちょっと寂しいですね…😅
コロナの今では懐かしい思い出です😊
好きなこの仕事ですが、一人では乗り越えられないことや悔しいことが沢山あり、人知れず何度も涙を流したこともあります。
でも私は多くの先生に今まで助けてもらいながら、日本語教師を辞めずにここまで来ました。
本当にありがたい話です。
なので、今度は私がこれから日本語教師デビューする人や目指す人のお役に立てればと思ってブログをはじめました。
あまり有益な情報を伝えられていないかもしれませんが、今後ともどうぞよろしくお願いします。
この「新人のころからやっていてよかったこと」には後半Partがあります!
(あまりの長文になってしまったので2つに分けました😅)
ぜひそちらもお読みいただけると嬉しいです。
また、「新人の私が担任を任された話」という体験話も書いていますので、興味がある方はぜひ呼んでみてください↓😊
最後までお読みくださりありがとうございました。
この投稿がみなさんのお役に立ったら幸いです。
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