
最近、「行動中心アプローチ」や「タスクベースの言語指導」が日本語学校でも求められているんですが、いまいちよくわからないんです……

そうですよね。自分の知らない教授法は、実際にどういう教え方なのか見たことがないとなかなかイメージが掴みにくいですよね。では、今回は行動中心アプローチやタスクベースの言語指導について書かれた書籍を紹介しますね!
こんにちは、日本語教師のさじここです。
去年夏開催したセミナーの参加者アンケートの中に「行動中心アプローチ(Action-oriented approach)」や「タスクベースの言語指導(以下、TBLT)」について悩んでいるというコメントがありました。
私自信も悩むことが多く、これらをうまく伝えられる技術も専門的な知識も持ち合わせていなかったので、「行動中心アプローチ」「タスクベースの言語指導」のイメージを掴むためにいろんな書籍や論文を読み、自分の中で色々考え情報を取集し……
そんなを繰り返すうちに最近前よりもイメージが具体化されてきました。
今回は「行動中心アプローチ」や「タスクベースの言語指導(TBLT)」を考えるヒントになった関連書籍を紹介したいと思います。
- 勤務先の日本語学校で文科省の認定を得るためにシラバスやカリキュラムを考えなければならない人
- 「文法積み上げ式」の教授法と「行動中心アプローチ、TBLT」の違いがよくわからず、授業設計に悩んでいる人
- 自分の今の日本語の教え方を振り返りたい人
- 登録日本語教員試験を受ける予定の人
- 理論は知っているけど実践に結びつかない人
本記事ではあくまで「行動中心アプローチ」「TBLT」について理解するための書籍を紹介するものです😄
目の前の学習者のニーズやスタイルに合わせて教えられるように、いろんな教授法や専門知識を使い分けられるようにするのがいいと私は考えていますので、おすすめ書籍をシェアします☺️
最後までお読みいただけると幸いです。
おすすめ本を紹介する前に……

これから紹介する本を読む前に、早稲田大学の鈴木祐一先生(第二言語習得、英語教育研究)のブログで公開してくださっている資料を読んでみることをお勧めします!
日本語教育も英語教育も同じ第二言語習得理論がベースですので、とても参考になる部分が多くわかりやすくまとまっています!😄
中でも……
「Task-based language teaching (TBLT)」と「練習:Presentation-Practice-Production (PPP)」についての資料が私が知りたかったことが書かれていてとても参考になりました。
こんな有益な資料を無料で公開してくださっている鈴木先生……✨感謝感激です!!😭
その他先生の資料はサイトでも閲覧できますが、以下の本↓が情報がまとまっていておすすめですよ。
⭐️「あたらしい第二言語習得論: 英語指導の思い込みを変える」鈴木祐一(著)
英語教育の方なので、基本は英語教育の話ですが、日本語教育とつながるところがたくさんあるので、もしかしたら、みなさんが知りたいことが書かれているかもしれません。
英語教育に興味がある方も必見です!
では、本題の日本語教育関連書籍を紹介しますね🎵

おすすめ①「第二言語習得研究とタスクベース言語指導」

⭐️『第二言語習得研究とタスクベースの言語指導: 課題遂行能力を伸ばす日本語教育を目ざして』 小柳かおる(著)
第二言語習得研究ご専門の小柳先生の本です。
この本は、タスクベース言語指導(TBLT)を第二言語習得研究の観点から説明している本です。
Can-doレベル基準に基づき、課題遂行能力の習得が重要視されるようになってきたのかの背景が詳しく書かれているので、なぜタスク活動が言語習得に効果的なのかを理論的に理解できます。
私が読んだ感想ですが、論文的な感じの書き方なので、ちょっと文章が難しいかもしれません……
TBLTについて軽めにざっくり知りたい……という人には向かないかも😅
反対に、「背景や理論的なことを深く学びたい人」にはおすすめの一冊!
(Amazonサイトのサンプルで一部公開されているので参考にしてみてください)
ちょっとこれは難しいかも……という人はまず、小柳先生の以下の本↓を先に読んでみるといいかもしれません。
⭐️『第二言語習得について日本語教師が知っておくべきこと』 小柳かおる(著)
こちらの本は、最初に紹介した本より読み進めやすいですし、先に紹介した本の内容も書いてあります。
これは私が強くおすすめする「これからの日本語教育を生き抜くためのバイブル的な本」の1冊です☺️
最近、よく大きな書店の日本語教育コーナーで見かけるし、有名な本なので読んだことがある人は多いかもしれませんね😂
おすすめ②『日本語の習得と習得支援を考える』

⭐️『日本語の習得と習得支援を考える: 真にプロフェッショナルな日本語教育の創造をめざして』 西口光一(著)
こちらの本は西口先生が書かれた本です。
この本は、日本語教育における習得支援の考え方を深く理解できる本です。
行動中心アプローチやタスク型授業を考えるときに必要な視点が説明されています。
おすすめ①の小柳先生の本は第二言語取得研究を中心に展開されている内容ですが、こちらの西口先生の本は日本語の習得と習得支援をめぐる物の見方やその理論的根拠から話が展開されていて興味深かったです。
CEFRと日本語教育の参照枠についても詳しく解説されているので、日本語学校で教務主任や専任のカリキュラム運営、コーディネート職の方に特におすすめしたい!!
「教師の役割ってなんだろう??」と思いを巡らせている人にも探している答えのヒントがこの本で見つかるかもしれませんよ。
タスクベースや行動中心アプローチを考えるためには、多角的な視点、視野を広く持つことが必要だと私は思っています。
正解がないからこそ考え続けなければいけない……そんなことを考えさせられる1冊です!!
おすすめ③『組織文化をつくる言語戦略』

⭐️『組織文化をつくる言語戦略: 世界中から人材を集めるメルカリはどのように組織を機能させているのか』 親松雅代(著)
おすすめ①②の本は理論的な本ですが、こちらはタイトルにあるようにあの「メルカリ」の話です!
一見すると日本語教育の本ではないように見えますが、言語を通して人や組織の行動を変えるという視点が、日本語学校などで教えている皆さんにもとても参考になると思います!
いまやメルカリは有名な大企業……
そんなメルカリではなんと約55か国の外国人社員の方が働いていて、従業員の3割は外国籍(エンジニア組織では6割近く)だそうです。
そのような環境下で日本語教育を担当されている親松氏をはじめとする言語教育チームどのように日本語研修を行い全体組織文化をつくってきたのか、そして組織として何を目指して言語戦略を考えているのかを入社当初や社内のエピソードを振り返りながら紹介してくれています。
この本を読んだとき、「私が求めていたものはこれだ!」と思いました。
言語教育だけでなく「どうやったら文化の違う人同士がうまくやっていけるのか?」ということにも興味がある人なので、この本はとても学びが多い1冊でした。
大抵研修内容などは社外秘になることが多いのに、こんなところまで紹介してしまっていいんですか?って思うような実例的なものがたくさん書いてあったのがすごい😆
そして、本が苦手な人にも読み進めやすい本です。
「学習者自身何ができるようになりたいと思っているのか?なにを求めているのか」という具体的な目標(ゴール)設定が重要であること、それを明確にしてからコースをデザインし評価を考え運用していく……
この記事を読んでいる方はきっと、これが重要であることはわかっていると思います。
でも、組織としてなかなかできない、うまくいかないジレンマがあるのではないでしょうか?
この本を読むと組織のマネージメントの視点からタスクベース言語指導(TBLT)や行動中心アプローチの実践方法のヒントが見つかるかもしれません。
授業設計や評価法作成にも役立つかと。
また、日本語教師だけでなく外国籍社員を採用している企業の方にもぜひ読んでもらいたい1冊です。
話が逸れてますが、この本が広まって日本語教師を社員として雇う企業が増えてほしいと切に願っています!!

まとめ

今回は「行動中心アプローチ」「TBLT」に悩む方向けに参考になるおすすめ書籍を紹介しました。
日本語教育の本って大体3,000円前後するので、何冊も一人で買うには……って感じかもしれませんので、日本語学校などに交渉して学校として購入してもらうといいかもしれません😆
みんなで読んで意見を交換し合うことがいい学びにつながると思いますし、一人で読んでいてもつまらないですよね?
余談ですが、以前勤めていた学校で「ビブリオバトル」という自分のおすすめの本を短い時間でプレゼンし合い聴衆に一番どの本を読んでみたいかを多数決で決めるという有志活動がありました。
いろんな本を知ることができますし、自分もプレゼンするとなるとその本を深く理解しなければならないのでとても学ぶことが多かったです。
みんなで一つの本を読んで議論んしたり、自分のおすすめの本を紹介すると組織内の議論も活性化していいアイディアが生まれるかもしれませんね!
今回お勧めした本で「よかった!」というものがあったらぜひ周りの日本語教師の人に勧めてください☺️
AIの時代だからこそ「本を読む」重要性も考えていきたい今日この頃です。
ブログでは真面目な話しか書いていませんが、noteの方ではブログの更新情報とともに近況報告や私のどうでもいい日本語教師の小ネタなどを書いています。
こちらもぜひフォローいただけるとうれしいです😃
この記事がみなさまのお役にたったら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました✨




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