さじここさんは、大学院に通ってメリットを感じますか?
そうですね、色んな人と学べるのは貴重です。
こんにちは。日本語教師のさじここです。
私は現在、某国立大の修士課程に2歳の息子の子育てと日本語教師をしながら在籍しております。
もともと日本語教師として働いていたのですが、キャリアアップを考え大学院に進学しました。
(→そのあたりの話はこちらを読んでいただければと思います😊)
日本語教師を長年やっていくと、「修士号」が必要な仕事に出会うと思います。
そんなときにチラつく「大学院進学」の文字…
学部を卒業してすぐ進学…というわけではなかったので、当時の私はいろんな不安がありました😥
大学院に興味を持っているみなさんもきっと、色々悩むところがあるのではないでしょうか?
そんな方に少しでも参考になればと思い、大学院進学のメリットをまとめました。
あくまでこれは私個人的な意見です。
参考程度に読んでください😊
大学院に通うメリット①:キャリアにつながる
私が大学院に進学したいと思ったのは、やはり「修士号」がこの先のキャリアアップのために必要になると思ったからです。
大学院に進学して「修士号」の学位を取得できるのは大きいと思います。
修士以上の学位が必要な求人はたとえば…
・日本語教師養成講座の講師
・国内の大学で日本語を教える
・国際交流基金の日本語専門家以上の公募
などがあります。
また、私の大学院の同期に進学理由を聞いたところ、
「海外の大学で日本語教師として数年雇われていたけど、修士号を持っていたほうが給料や待遇がよかったから、修士号は必要だと思ったよ〜」
と言っていました。
海外の大学によっては日本語教師の資格だけでOKというところもあるかもしれませんが、大抵は「修士以上」が必要みたいです。
修士以上の学位が必要な求人は、日本語学校で授業をするよりも給料がいいです!!
たとえば初級レベルの留学生に60分授業を日本語学校で担当するとしたら、せいぜい、時給2000円前後……😥
でも、大学で初級レベルの留学生の授業をするとだいたい日本語学校の1.5倍以上はもらえます!(大学や募集求人によります)
そして、大学は少人数の場合が多いですし、やる気のあるいろんな国の人が集まってきます。(←ただし、大学のレベルによります)
また、日本語教師をしていると、「国際交流基金」についてよく耳にするかと思います。
国際交流基金の日本語専門家として派遣されたことがある日本語教師の先輩方に話を聞いたところ…
「とても勉強になった!」
「また派遣されたい!」
「世界の日本語教育について考えるようになった」
など……日本語教師としていい経験が積めるとのことです。
また、渡航前の国内での研修等がしっかりあり、給料も居住先、勤務先も保証され様々なバックアップがあって安心!
ただし、この国際交流基金の公募に採用されるには、書類選考(一次)→専門知識を問う試験(二次)→面接(三次)があり、派遣される国は年によって違うようです。
今年の公募は終了していますが、もし公募に興味がある方がいらっしゃったら一度、国際交流基金のHP↓で確認してみてください😁
【国際交流基金】 2022年度海外派遣 日本語専門家 公募のお知らせ
(修士を持っていなくても、条件を満たせば応募できる、「日本語指導助手」の公募もあります)
大学院に通うメリット②:学びが多い
大学院の醍醐味として、やはりその分野の専門家である大学教授の先生の授業を受講できることではないでしょうか?😁
数々の有名な文法書や教科書を監修している先生方といろんな話や議論ができることは、かなり日本語教師としてプラスになります!
私が受けた授業の中で、印象的だったのが、「ベトナム語を直接法で学ぶ」特別授業です。
普段自分がする側の直接法を学生の身になって体験したことで、普段学生がどのように感じながら授業を受けているのか、どんなときにストレスやプレッシャーを感じるのかがわかりました。
また、先生だけでなく、さまざまなバックグラウンドをもった大学院生の同期や先輩と議論を交わしたり、研究を発表したりすることで色んな学びがあります。
中国の留学生の同期がどうやって日本語を習得してきたのか、中国では日本語教育がどのように行われているのかを聞くことができ、自分の視野が広がりました😊
また、日本語教育系の大学院ではおそらく教育実習があると思います。
私の大学院では、大学内の留学センターのクラス内での教育実習(国内教育実習)と、海外の大学で約2週間の教育実習が設置されており、希望者は受講することができます。
(私は海外の教育実習に参加するのを楽しみにしていたのですが、コロナで残念ながら海外の教育実習が中止になり、その夢は叶いませんでした…😫)
養成講座に通ったけどもう一度学び直しをしたい、検定のみで教育実習をしたことがない人にとってはいい環境だと思います。
大学院に通うメリット③:論文のお作法
日本語を教えていて、ある事象や文法項目に不思議に感じたり違和感を感じるたりすることがありませんか?
それらを「明らかにしてみたい、解明したい!」と感じる方は、ぜひ大学院で研究することをおすすめします。😁
修士課程を終了するためには、必ず修士論文を完成させなくてはいけませんから、研究方法や分析法う、論文の書き方、学会発表の仕方などを学ぶ機会があります。
(でもそれは、授業で扱われるというより、研究会(ゼミ)で間接的に学んでいく感じです。)
また、この先、日本語教師を続けていく上で、大学院の進学指導をする機会があると思います。
そのときに研究計画書の書き方や、論文の探し方、研究方法などを知っているのと知らないのでは、格段に指導の仕方が変わってきますので、自分が実際に論文を書いていることは日本語教師のキャリアとしてはプラスになると思います。
なかなかそういうアカデミック・ライティングについては日本人でも知らない、学ぶ機会がないかと思いますので、大学院での研究の機会は貴重です。
また、大学院の研究会(ゼミ)では、自分の研究発表が学期に1〜2回(ゼミによってはもっと)あるので、人前で発表しなくてはいけません(笑)
どうしたらみんなにわかってもらえる文章を書くことができるのか、わかりやすく説明できるのか、私はいつも考えさせられます。
でも、かなり経験値は上がりましたし、以前よりも人前で発表する度胸がついたと思います。
余談ですが、最近の大学の非常勤講師の求人でも研究実績として最低論文2本の提出が求められていることが多いです。
修士論文はそれには含まれないので、どこかの雑誌に投稿し掲載されなければなりません。
この先、そういった研究実績が必要になり学会誌に投稿したいときがやってきても、しっかりと研究の仕方、論文の書き方、研究方法などを身につけておけば自分でがんばれます。
(とはいっても、紀要に比べて学会誌掲載のハードルは高いですけど😅)
大学院に通うメリット:番外
これは余談なのですが、どんな年齢であろうと大学院に入学したら、立派な「大学院生」です!
つまり、学生証が発行されて「学割」が適用されます😁
新幹線などのチケットや、映画などのエンタメの学割が対象となり、お得に買えます。(ただし、新幹線の学割には使用できる回数に制限があります)
もちろん美術館や博物館も学生料金では入れますのでお好きな人にとってもうれしいですよね。
あと、もちろん大学構内設備費を学費で納入しているので、大学の設備や図書館が使いたい放題です。
研究をするとやっぱり先行研究を調べなければ始まらないので、学部生のときより図書館をフル活用しています。
海外の文献も図書館データベースサイトからアクセスできてPDFでダウンロードできるので、こちらもとても助かります。
私費でダウンロードしようと思うと、1文献20ドル〜35ドルぐらいかかるので…本当に助かっています😅
大学院生になったら、こういうものは使い倒さないと損ですね😁
まあ、これを目当てに大学院進学する人はいないとは思いますが…一応参考まで…😅
まとめ
今回は、大学院に進学するメリットをまとめました。
当たり前過ぎて、あんまり参考にならなかったかもしれませんね…😅
この記事を書くにあたって、改めて私の大学院生活や進学しようと決意したときのことを振り返って、「大学院進学してよかった」と感じます。
実は、合格が決まっていよいよ入学間近になったとき、一度入学を辞退しようと悩んだことがあります。(→その話はまた別投稿で)
もし、入学を辞退していたら、日本語教育業界やアカデミックな話、研究の仕方について一切知らぬまま日本語教師をこの先もしていたでしょう。
それはそれで問題ないかもしれませんが、知らないのと知っているのとでは教師の深みは違うと思いますし、学生への対応も変わってくると私は思います。
また大学院ではさまざまなバックグラウンドを持った人に出会うことができます。
そのような人たちと議論を交わすことで、自分の価値観が揺さぶられたり、ときに日本語教師の存在を考えさせられるようなことに出会えたことは私にとってプラスになっています。
また、大学院で学んでいて思ったのが……
普段は教える側でも、たまには学生になって授業を受け学生の立場に立つことも必要だということ。
やっぱり、どうしても教えるばかりの毎日だと、学生の感覚を忘れてしまうんですよね…😅
すごく久しぶりに学生になって授業を受けてみて、「あっという間の授業」と「そうでない授業」の違いがよくわかりました。
ZOOMでオンライン講義を受ける学生の気持ちがわかったこと、オンラインのメリット・デメリットを感じられたことは大きいです!!
まあ別にそのために大学院へ行く必要はないと思いますが……😅
ずっとメリットしかお伝えしていませんが、もちろん大学院進学にはメリットだけでなく、もちろんデメリット(例えば、学費…)もあります。
デメリットについては以下の投稿↓をお読みください!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました😁
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