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〈ビジネス日本語〉の教え方&おすすめビジネス日本語教材 part1

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現在、ビジネスマンに日本語を教える仕事をしているんですが、そのクラス授業で使えるビジネス日本語の教材って何かありますか?

さじここ
さじここ

では、私が見つけたビジネス教材についてシェアしますね!

こんにちは、日本語教師のさじここです。

入国制限が緩和されて、ビジネスで往来する外国人の方も増加していますね。

日本で働きたい外国人の方にとって「ビジネス日本語」はとても関心があるカテゴリーかと思います。

そして、以前私が投稿した

【オンライン日本語教師】ビジネス日本語の教え方のポイント〜学習者が求めているビジネス日本語とは?〜

の記事のアクセス数が伸びていることから、日本語教師にとっても興味関心が高いことがうかがえます。

Twitterでも反響があったので、今回、第二弾を執筆してみました(笑)😅

前回はitalkiなどのプライベートレッスン、個人学習向けの内容でしたが、今回は専門学校や大学等のクラス授業でも使えそうな教材をピックアップしてみました。

あくまで私個人の教材レビューですが、よろしければ参考にしてみてください😊

〈ビジネス日本語〉を教えるときのポイント

私は日本語学校でもビジネス日本語を担当していたことがあります。

また、現在italkiでもビジネス日本語を教えていますし、大学生や大学院生に個人的に就活指導をしています。

以下はビジネス日本語を教えるとき、私が学生に必ず伝えるポイントです。

  • テキストや私(教師)が言っていることが全て正解ではない
  • 業種や会社によって社内ルールや独特の企業文化が存在する

①「テキストや私(教師)が言っていることが全て正解ではない」と結構強調して伝えるように心がけています。

というのも、「教師の言ったことがすべて正しい」「勉強したことをそのままやれば仕事は大丈夫!」と思っている学生がたまにいるからです😅

特に働いた経験がない学生あるあるです。

例えば…社内向けにメールを送るときは冒頭、「お疲れさまです」でいいのか「いつもお世話になっております」と書いたほうがいいのか…それは会社によって違います。

また、会社組織には上下関係がありますから、その当たりも注意する必要がある

テキストや教師は、いくつかの参考例を提示することはできても、その学生が働く現場での正解はわかりません。

だから、「自分自身の目で周りの人を観察するんだよ」と口酸っぱく伝えています。

これは②の「業種や会社によって社内ルールや独特の企業文化が存在する」にも繋がっています。

「ビジネス日本語を教えてほしい!と」いう学生の中には、日本の企業文化やマナーにとても関心がある学生と、全く興味がない(理解しなくてもまあいっか…と思っている)人がいます😅

興味がある人はほっといても自分でも調べるので問題ないですが、興味がない人は職場の人とうまくいかない可能性が高いです。

たとえば……

コロナで在宅勤務も推奨されるようになって、最近は勤務体制にフレックス制度が導入されている企業が増え、出勤時間や退勤時間を「個人の裁量」で決めることができるようになってきましたよね。

でもこの「個人の裁量」というものはある意味くせ者で、『全く報告がいらない本当に自由に決められるという職場』もある一方、職場によっては『上司の許可がいる場合』や、『自分の勤務時間をグループ内に毎回連絡しなければならない場合』もあります。

もし、上司の許可を取らないとフレックス制度が利用できないと「暗黙のルール」が存在しているのに、自分の裁量で出退勤を決めていたら……ちょっとまずい…😨

人事が定めている就業規則はありますが、このような細かなルールは明示化されていない場合も多く、その職場の雰囲気でルール化されている(暗黙のルール)が日本の企業には存在する。

こういうのって、私の経験上、新人の本当に最初の頃は親切な先輩が教えてくれますが、基本自分で聞かないと教えてもらえないことが多いです😅

別に正社員に限った話ではなく、アルバイトでも同じかと。

日本語教師の職場だってこういう暗黙のルールみたいなもの(たとえば、宿題のコピーは前日の人がしておく、教室の窓閉めは最後のクラス担当者が閉めるetc)は沢山ありました。

暗黙のルールは結構、地雷です…😨

ですから、企業のルールや文化にアンテナを張っておくことも日本で働く上では重要だと思います。

でも学生の中には、「自分は日本人じゃないからそういう文化は理解できないと思う」と言っている人も……😅

それはある意味個人の自由ですが、私は「企業のルールや文化にアンテナを張ると日本の職場での働きやすさに繋がるから、どういうところがポイントになるかケーススタディで確認しましょう!」と学生に伝えています。

参考までに😅

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私がオススメするビジネス日本語教材

では本題に入って、プライベートレッスンでもクラス授業でも使えそうなビジネス日本語教材を紹介したいと思います😃

あくまでこれは私の個人的なレビューです😅

その①:これから就活する人向けの教材

『中級レベル ロールプレイで学ぶビジネス日本語ー就活から入社までー』村野節子、山辺真理子、向山陽子(著)

「中級レベルロープレで学ぶ〜」のおすすめポイント
  • ①「インターシップ〜就活の面接〜入社し働く場面」まで含まれている
  • ②授業中に就活で利用できる自己分析タスクがある
  • ③ビジネス現場でよく使う表現が出てくる
  • ④就活でいつもグループディスカッションに落ちる人のケーススタディがリアルすぎ(笑)→それをみんなで考えるタスクがおもしろい
  • ⑤入社後のビジネスあるあるも学べるので実践的(クッション言葉やアポの取り方など)
  • (スリーエーネットワークHPサイトで補助教材あり)

こちらの本はなんといっても、今就活生が一番気にしている「インターシップ」についても取り上げられているところが特徴です!

いろんなビジネス日本語教材を見てきましたが、今までたいてい「就活面接場面」からしか取り上げられていない感じがしたので、こちらの本に出会ったときはかなり新鮮でした😃

なので、こちらのテキストは、大学生・専門学校生など新卒採用の就活をしようとしている人におすすめです。

私は就活をして一般企業に就職した経験があるかつ、人事を経験したので、就活について割と詳しいです。

でも、日本語教師をされている方の中には、就活をしたことがない方もいらっしゃったり、今の就活の仕組みをあまり知らない方もいらっしゃるかもしれません。

そういう方にとっても、こちらのテキストは勉強になると思います。

特に②の「授業中に就活で利用できる自己分析タスクがある」は学生にとってかなり嬉しい活動になると思います。

日本人でもきっと受けたくなる授業ができるかもしれませんよ?😁

というのも、自己分析って日本人の大学生でもどうやっていいかわからず、悩むポイントなんです。

自分の長所短所、大学時代に頑張ってきたこと(ガクチカ)などを授業内でクラスメートと意見を交換しながらシートに記入したり発表したりするだけで、ES(エントリーシート)の内容が出来上がっていく

日本語も学べて就活もできるなんて一石二鳥!

そんな授業をこのテキストですることができるかと思います😊

これって自分で用意するの結構大変なので、とてもありがたい教材ですね。

あと、個人的にツボったのが④の「就活でいつもグループディスカッションに落ちる人のケーススタディがリアルすぎ(笑)→それをみんなで考えるタスクがおもしろい」です😁

これから就活する人を事前にビビらせて考えさせる…

いや〜〜すごい考え抜かれたタスクだと思います!!

この「グループディスカッションに毎回落ちる人」っていうのは必ずいます。

リアルな話です。

私はプライベートレッスンでよく相談されます😅

ここを真剣に議論させることで、自分が就活するとき必ず役に立つかと思います。

実践の場はすぐやってきますから、学生はきっと前のめりで授業を受けると思いますよ!

グループディスカッションを苦手にしている学生は多いですから😅

③のビジネス現場でよく使う表現が出てくるや、⑤の入社後のビジネスあるあるも学べるので実践的(クッション言葉やアポの取り方など)の部分は他のテキストでも紹介されている項目かと思います。

でも、紹介されているのが…「ホチキス留め」「クリップ留め」「社名入り」など就活でめちゃくちゃ使うけど、初めて聞くと学生はよくわからない言葉なんです!

また、履歴書の書き方や封筒の書き方も見本例とともに紹介されているのがGOOD!

よりリアルな現場を意識してこのテキストが作られていることが伝わります😁

「この文章じゃよくわからない!」っていう方は、スリーエーネットワークさんが見本ページを用意してくださっていますのでこちらから立ち読みしてみてください。

その②:すでに働いているビジネスパーソン向けのレッスン教材

外国人のためのケーススタディで学ぶビジネス日本語中級』 千駄ヶ谷日本語教育研究所(著)

「外国人のためのケーススタディ〜」のオススメポイント
  • ①初級・初中級修了レベルから使用可(B1レベル程度)
  • ②「依頼」「謝罪」などテーマの読解→ケーススタディ→会話練習の流れ
  • ③「考えてみよう」のところで日本の日本の企業文化について考えたり、自分の行動を考えたりするのがGOOD
  • ④読解で出てきた表現の文法のページがある
  • ⑤会話の練習ページが感動!
  • ⑥ロールプレイのタスクカードももちろん付いている(普通レベル、チャレンジレベルの2種類)
  • ⑦課の最後にCan-doチェック項目とその課のポイントのまとめがある
  • (スリーエーネットワークHPサイトで補助教材あり)

こちらのテキストは、①初級・初中級修了レベルから使用可(B1レベル程度)で使えるようにデザインされています。

最初、少し長め文章(1ページちょっと、文字小さめ😅)を読んで、ケーススタディを行う流れですが、難しい文法は使われていないので、中級レベルならほとんど問題なく読めると思います。


④読解で出てきた表現(太字の部分)の文法解説ページがあるので、一緒に文法やビジネス表現を確認することができます。

解説はの部分は、英語、中国語、ベトナム語訳付きで、それぞれの文法に例文は2つあります。

しかし、文法説明は一文のみのシンプル説明(笑) (たとえば…「~する上で」は「~を行う場合」という意味みたいな…😅)

ターゲット層がJLPTを受けないなら、意味が分かっていればある意味OKかと…

でも、JLPTを受けようとしている人にはちょっと補足説明や、練習問題が必要かも…😅

このあたりはビジネス日本語教材あるあるですね。

この教材の感動ポイントは⑤の会話のページです!

「謝罪」を例にあげると…「自分から謝罪する」「相手からの問い合わせで間違いに気づき、謝罪する」とシチュエーションが2つ用意されています。

多くのテキストは基本的には「自分から謝罪する」のみ扱っているので、違う状況のものを2つ載せているのがすごいと思いました。

練習しやすいように「会話の流れを図式化」してくれています!!(それも訳つきで説明)😭

これはロールプレイをするときにありがたい!😭

私の拙い文章では上手く伝わらないので、この図はぜひ見本ページを見てもらいたいです!(見本リンクは一番下にありますよ)

談話構造って会話では大事ですよね!!

でも、なかなかこう図で描いてくれているテキストに出会えなかったのでうれしいです。

また、「会話の表現」の確認のページでも、状況別「仕事の大きいミスの謝罪のことば」「小さいミスや誰かとぶつかったときなど」みたいに、何パターンも表現(申し訳ございませんでした、失礼いたしました、すみませんでした)が提示されているので自分の状況にあった適切な言葉を選ぶことができるように学ぶことができます。

英語を勉強していたとき「こういうのが知りたい!」と思っていました。

なので、私はビジネス日本語を教えるときは特に、こういう表現のバリエーション(使い方)と言葉のニュアンス、使用場面を伝えたいと思っています。

それを可能にする一冊に巡り合った気がしました!😊

⑦の「最後にCan−doチェック項目と、その課のポイントまとめがある」のはビジネス日本語テキストでは珍しいです。

教師としても課のポイントを総括しやすいつくりですね。

さらに、発展型のケーススタディ付きです!

かなりできる学生に+αのタスクを与えることができるので、細かいところにまで手が届く教材です😭

「この文章じゃよくわからない!」っていう方は、スリーエーネットワークさんが見本ページを用意してくださっていますのでこちらから立ち読みしてみてください。

そして、なんと!こちらのテキストには解説動画↓がありますよ♪

『外国人のためのケーススタディで学ぶビジネス日本語 中級』教材紹介動画 | スリーエーネットワーク
『外国人のためのケーススタディで学ぶビジネス日本語 中級』の著者が書籍の内容、課の構成、授業で取り扱う際のポイントをご紹介します。 ケーススタディやロールプレイの進め方のポイントなどわかりやすくお話しいただいています。

まとめ

ビジネス日本語の教材って本当に沢山発売されていて、どれを使っていいか迷いますよね…😅

今回は2冊のテキストを紹介しましたが、実はまだ紹介したいものが……(笑)

私の「テキストへの愛」をこの記事に全てまとめると、ものすごい分量になって、読者のみなさんが「もう…お腹いっぱいです…」て離れていってしまいそうなので、記事を2つに分けることにしました😅

Part2で紹介する教材は、技能実習生や特定技能の在留資格者への日本語を教えるときに役に立つかと思います。

ぜひ、Part2の記事もお読みいただけるとうれしいです。

この記事が皆さんのお役にたったらうれしいです。

また、italkiなどプライベートレッスンで使用できる教材のまとめ記事↓もよかったら読んでみてください♪

最後までお読みいただきありがとうございました😊

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