こんにちは。日本語教師のさじここです。
ずっと議論されていた「日本語教師」の資格がいよいよ国家資格になります。
その名も…「登録日本語教員」
最後のところは「教師」のミスではないですよ?「教員」です!
でも日本語教師です。
この記事では、やっと全貌が明らかになってきた「登録日本語教員」の資格について今現在(2024年5月末時点)わかっていること、決まっていることをシェアしたいと思います。
資格についてあまり情報を得ていない方は、この記事を最後まで一読いただけると、ざっくり公開されている情報が網羅できると思います😄
「登録日本語教員」とは?
「登録日本語教員」というのは、新たに始まる日本語教師の国家資格名のことです。
日本語学校のいわゆる「告示校」と認定を受けていた日本語学校の多くは、現在、引き続き政府から(文科省から)認定を受けるために認定申請を行なっています。
その認定を受けた(今でいう告示校、「留学」の在留資格の学生を受け入れることができる機関)日本語学校で働くため、働き続けるためには「登録日本語教員」の資格が必要になります。(質問集 Q47より)
大学のいわゆる別科で教えている先生や、日本語教師養成に携わっている(実際に日本語教師になりたい人に教えている方)も必要になるようです。
(ただし、交換留学生のプログラムや国費留学生を対象にするプログラムなど例外はあり)
経緯などを詳しく知りたい方は、文部科学省のサイトの資料を一読ください!!
私の感覚では、「日本語教育能力検定試験の合格」みたいな持っておくと良いプラスαの資格というより、もっていないと働ける場が少なくなる「基本的な資格」のようなイメージです。
今までは、養成講座に通い修了したら有資格者として日本語学校で働けました(場合によては修了見込みでも働けた)。
しかし、この資格ができたことで、「座学(基礎試験含む)」+「教育実習」+「応用試験に合格」しないと日本語学校の教壇には立てないことになります。
結構ハードルが上がる感じに見えますね😭
もちろん費用がかかります!!!!
現職者もこの資格を取得する場合は「講習」などを受ける必要があります!
(現在)日本語教師として働いている人が資格取得するルート
すでに日本語教師として国内の日本語学校などで働いている方の場合、「現職者」として、経過措置期間中は「試験」や「実習」が免除されます。
ただし、養成講座に通った期間が当てはまっているか、検定にいつ合格したかで条件が変わります!!
「自分がどれが免除されて、何を受けなければならないか」を知るには、以下の「経過措置ルート判定ガイド」を見て判断してください。
登録までのスケジュール(令和6年)
今わかっているの登録までのスケジュールは以下の通りです。
日本語教育能力検定試験のような「日本語教員試験」(基礎試験・応用試験)は、「2024年11月17日(日曜日)」に決定です!!
今年の初回の試験を受験したい場合は必ず夏に出願してくださいね!
また、指定された期間に「日本語教育能力検定試験」を受けて合格書を持っている人は免除になりますが、試験免除者も出願しないといけないので注意が必要です。(免除認定を受けるために)
現職者用の講習について
経過措置の間、現職者が資格取得するために受けなければならない講習が2つあります。
講習IIは結構ヘビーな感じになっていますね。
90分が10コマって大学の半期分です〜〜😭
でも、オンデマンドなので、自分のペースで受けられますよ。
講習の申し込みなどの申請はウェブ上の「日本語教育機関認定ポータル」を通じてすることになります。
このクラウドサービスは、今後日本語教育に関する情報を集約、いろんなコンテンツと紐付けされていくらしいです。
(ここを見れば日本語教育関連情報が集約されてわかりやすくなるかも??)
パソコン申請が苦手な人はちょっと大変かもしれません……😅
日本語教員試験(基礎試験&応用試験)について
人によって受ける試験の数が変わるので、受験料が変わります。
私の場合、検定合格しているのでどちらも免除ですが、手数料5,900円を出願期間に払わなければいけないということですね😅
試験会場が思ったより少ないので、地方お住まいの方は大変かもしれません😭
場合によっては宿泊費用もかかってしまう……
どんな試験か知りたいかたは、サンプル問題が公開されているので文科省のサイトをご覧ください!→令和6年度日本語教員試験の出題内容及びサンプル問題:https://www.mext.go.jp/content/20240524-mxt_nihongo02-000036014_2.pdf
現職の方は、試験は経過措置期間中に受けて合格すればいいので無理に今年受験する必要はなく、個人的に様子見でもいいと思います。
初回はやっぱり初めてですから色々トラブルとかもあると思いますし、試験会場も今後増える可能性があるので。
日本語教員試験に合格した場合の登録申請はいつまでにする必要がある?
日本語教員試験合格には有効期限はないので、任意の時期に実践研修を修了するなどして登録日本語教員の登録を受けることが可能みたいです。
なので、実践研修(いわゆる教育実習)が必要な方は、先に合格しておいて、自分が教育実習できるタイミングで教育実習に参加修了し、登録するということもできます。
実践研修は少人数で行うと思うので、自分のスケジュールが合わなかったり、人数がいっぱいですぐに申し込めなかった……みたいなことは起きるかと。
そういうことも踏まえて今のところは、「有効期限なし」にしてあるのかもしれませんね。
これから新たに日本語教員になりたい人は?
これから「日本語教師になりたい!」これから「養成講座に通おう!」と思っている人は……
登録実践研修機関(実習できる場所)、登録日本語教員養成機関(いわゆる養成講座)の最初の登録が行われるのが令和6年(2024年)11月末予定なので、それ以降に登録を受けた機関での実践実習(教育実習)や養成課程(いわゆる座学講義)を開始次第、受講することが可能だそうです。
資格取得の経過措置Cルートの対象の「必須の教育内容50項目に対応した養成課程等」については今の時点で受講することができるので、その養成講座を修了し、学士以上の学位を持っている人は令和15年3月31日までの間、日本語教員試験の基礎試験と実践研修の免除を受け、日本語教員試験の応用試験のみに合格することで、登録日本語教員としての登録を受けることできるとのことです。
(文科省サイト:質問集 p.53 Q:216赤字から情報を抜粋要約)
もう少し簡単に説明すると……
登録申請中の養成講座に通って、座学&教育実習を修了する&大卒である
→「基礎試験」は免除、「応用試験」のみ受験&合格する
→登録日本語教員になれる!
とういうことだと思います😅
文科省のサイトの資料は「難しい言葉かつ長文」で書かれるのでうわっとなりますが、怯まず、がんばって情報を取りに行きましょう!
「現職者」ってだれのこと?
(文科省サイト:質問集 p.53 Q:218〜221 から情報を抜粋要約)
残念ながら、現職者には海外で教えている日本語教師、オンライン日本語教師、プライベートレッスンの教師などは含まれないようです。
あと期間が2019年から1年以上という期間があるのも……
2019年〜といったらコロナ禍ですよ!
今まさに教えていないと対象に入らない感じです。
あと、試験免除には自分が現職者であることを証明する「在職証明書」が必要です。
この「在職証明書」がまたやっかいで、大学などのフォーマットではなく、文科省が指定したフォーマットで発行してもらわなければダメだそうです。
文科省のHP「登録日本語教員の登録等に関すること」の「在職証明書」をwordでダウンロードし、勤め先に発行してもらうよう依頼してくだいね。
在職証明書には有効期限を設けないそうなので、自分の都合のいい時に登録できるようにとりあえず発行してもらって持っておいた方がいいかもですね。(私はもうすでに大学に発行してもらいました)
まとめ
私が資料を読んで気になったところ、重要だと思ったところを抜粋し今回記事にまとめました。
こちらの情報は2024年5月末現在のものです。
わからないことや疑問点は、わりと「質問集」に書かれていたりするのでみなさん一読してみるのがいいと思います→日本語教育機関認定法 よくある質問集
この資格を取るか迷っている人が多いと思います。
正直なところ、取得したところで費用はかかっても、時給は上がらない……って可能性は大です。
少なくとも私は大学で教えているのでこの資格はいまのところ不要です。
でも、おそらくですが、この資格がないと働けなくなるよう「大学」も「オンラインプラットフォーム」も「海外の学校」もこれに合わせて動いてくる気がしています😅
実際、今でも求人で「検定合格」または「420時間養成講座修了者」みたいな表記がありますよね。
そこがこれからは「登録日本語教員」となっていくのかなと。
それなら私は「経過措置」期間中にとってしまおうという考えです。
最初ですから試験なども簡単かな?とか期待しています(笑)
みなさんはこの資格を取得しようと思っていますか?
それとも、もう働けなくなったらそれはそれでこの日本語教育の業界を去ればいいと思っていらっしゃいますか?
この資格は、日本語学校の淘汰も進むと思いますが、日本語教師それぞれの分岐点になりそうな気がします……😭
紹介した情報は日々更新されていくと思うので、みなさんもアンテナをはって動向をチェックをしてくださいね。
あと、なるべく間違いがないように記事にしていますが、解釈を間違えている可能性もあるかもしれません。
なので、ご自身でも必ず文科省のHPサイトを一読してもらえますようお願いいたします。
この情報がみなさまのお役に立ったら幸いです。
ときどきこういう情報はnoteで更新していますので、noteの方ものぞいていただけれるとうれしいです。(最近は忙しくてあまり更新できていませんが……😅)
最後までお読みくださりありがとうございました。
コメント
「講習IIは現職者全員必須になるから結構ヘビーな感じになっていますね」と記載してますが、
Cルートの現職者もいますので、現職者全員「必須」の表現は間違いでは…
ご指摘ありがとうございます。そうですね、記事を修正いたしました。