日本語教師の求人の「業務委託契約」はブラック求人?〜日本語教師の求人を深堀りしてみた〜

日本語教師になりたい

最近日本語教師の求人で「雇用契約」と書いてある求人をよく見るんですが、これは一体…

さじここ
さじここ

私も実は気になっていて、調べてみましたよ。

こんにちは。日本語教師のさじここです。

最近、日本語教師の求人で「業務委託」という文字を見かけませんか?

以前は日本語教師の求人にはこの文字はほとんどなく、「常勤講師」or「非常勤講師」の二択だったのですが、最近は「非常勤講師(雇用契約)」「非常勤講師(業務委託契約)」「常勤講師(雇用契約)」「常勤講師(業務委託契約)」という区分になっています。

この「業務委託」って一体なんなのか???

今回は日本語教師の「業務委託」の実態を深堀りしたいと思います。

なるべく色んなサイトで調べたことを引用しながら書いていますが、私は法律や労務関係のプロではありませんの間違った情報もあるかもしれません。

参考程度に読んでいただければと思います。

間違いを見つけた方は、問い合わせフォームからご連絡いただけると大変助かります。

(この記事の情報は2021年1月9日現在の情報です)

最近の日本語教師の求人サイト

養成講座を修了した、検定に合格した方は、日本語教師デビューするために、ネットで日本語教師の求人を探しているかと思います。

参考までに、私がよくチェックする日本語教師の求人サイト

                  《この情報は2022.1.9現在です》

リンクを貼っているサイトは日本語教師の求人に特化しています。

最近では、スタンバイやindeedなどの総合求人サイトでも日本語教師に求人が掲載されるようになりました。

そして、それぞれの求人サイトには特徴があります。

例えば、「日本語教育学会」の求人の多くは国内外の大学や専門機関の求人で、修士以上の学位が求められています。

また学会が掲載しているということで、募集している案件は信頼できるものではないかと思います。

一方、最近増えてきた総合求人サイト(例えば,indeed)に掲載されている求人は、企業からの求人募集(例えば、社員向けの日本語レッスン、プライベートレッスン)が多いです。

そして簡単に掲載できる求人サイトは、ブラックな求人が紛れているので注意してください😥

(私が言う「ブラックな求人」というのは、「労働環境がよくないやりがいを搾取されるブラックな日本語学校などの求人」です)

「ブラックな求人」の見分け方が知りたい!という方は、私が以前書いた記事〈ブラックな求人の見分け方〉をぜひ参考にしていただければと思います。

求人サイトを見ていただくとわかるように、求人サイトを見ただけでは詳細がわかりません。

サイトの多くは求人募集先の学校や組織のリンクが貼ってあり、そこに詳細が書かれています

つまり一つ一つ自分で読んで確認しなくてはなりません。

統一した募集要項のフォーマットがあるわけではないので、学校によって記載情報に差があります…😥

ひどいものだと、

【仕事内容】
日本語レッスン講師、またはチューター
水曜、土曜 19時~21時のレッスンに対応できる方

【給与備考】
時給+レッスンコマ給(1800円)
詳細は応相談

【募集人数・募集背景】
1名

【休日休暇】
年末年始休暇

みたいな、ざっくりとした情報しか書かれておらず、「詳細は採用担当まで問い合わせください」で終わっている……😱

非常勤講師としての契約なのか、交通費はでるのか……謎です。

「問い合わせたら案外優良な求人だった!😁」ならいいですが、書けばわかることをわざわざ書かないのはなんかあるのでは??と私は勘ぐってしまいます。

また、ツイッターの日本語教師の方から教えていただいたことなのですが、複数の求人サイトに掲載しているものはブラックな日本語学校の可能性が高いです。

講師にとって働きやすい職場の学校や組織だったら、1つ2つの求人サイトで募集すれば必ず応募者が現れます。

でも3つ4つ、かつハローワークにも出している日本語学校、企業は、「先生がすぐ辞める」もしくは「変な噂がある学校」の可能性が高いので注意したほうがいいでしょう

業務委託契約とは

業務委託が何なのかを深堀りする前に、まず「雇用契約」についてみてみましょう

雇用契約とは…

雇用契約は、正社員や契約社員、アルバイト、パートなどが会社と結ぶ労働契約です。社員は会社の従業員として、決められた時間分の労働力を会社に提供し、その対価として時給や月給といった「給与」が支払われます。

会社と社員は、雇い主と従業員という主従の関係になり、仕事の進め方などについて雇い主から従業員への指揮命令権が発生します。

    引用元:マイナビ転職 〈https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/caripedia/99〉 (2021.11.27閲覧)

今までの日本語学校の非常勤講師の雇用は「雇用契約」が主流で、会社に所属し、経営者や教務と主従関係で働いていたと思います。

では、業務委託契約とは…

業務委託契約は会社が業務を外部の企業や個人に委託する際に行う契約です。これを受けた側は、労働力ではなく仕事の成果を提供します。

会社員や派遣社員とは異なり、会社と雇用関係を結ばず、対等な立場で業務を遂行します。そのため、会社側から業務の進め方に対して、指揮命令を受けることはありません。

また、「何時から何時まで働いてください」という時間的な制約を受けることも基本的になく、あくまでも委託された業務を遂行すること、もしくは成果物を完成させることで「報酬」が支払われます。

引用元:マイナビ転職 〈https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/caripedia/99〉 (2022.1.9閲覧)

個人事業主やフリーランスと呼ばれる「個人」と結ぶ契約だけでなく、企業同士や法人間でもこの業務委託契約は一般的らしいです。

また、「業務委託契約」は法律の正式名称ではなく、「請負契約」と「委任(準委任)契約」の2つをまとめて「業務委託契約」と呼んでいるとのことです。(参照元:Job Medley 〈https://job-medley.com/tips/detail/1185/〉より)

(↑この辺のことを詳しく知りたい方は、上記の引用元で各自ご確認ください)

「業務委託」は主従関係がなく対等な立場?! 時間的な成約がない?! 😲 

果たして…本当に日本語学校でそんなことがあり得るのだろうか??

と、私は調べていて疑問に感じました……😓

業務委託契約(個人・企業側)のメリット

一般的な「業務委託契約のメリット【委託される側(個人)】」を調べてみました。

  • 委託された業務のみ行えばよい
  • 働く時間や場所の自由が高い
  • 自分が得意とする分野のみ業務を行うことができる
  • 提供する価値次第で収入を増やすことが可能
  • やりたくない業務は断ることができる

あくまで、一般的な業務委託(例えば、プログラマーやコンサルタント)のメリットですから、これが日本語教師に当てはまるかどうかかなり微妙だと個人的に思います😥

プライベートレッスン(オンライン、対面)ならこのメリットはあると思います。

プライベートレッスンの業務委託はわりと前からある印象です。

現に私もプライベートレッスン専門の企業で講師登録しようとしたことがあり、そのときの企業の講師契約は「業務委託契約」でした。(条件が合わず、登録しませんでしたが…)

日本語学校が仲介をするだけでレッスン内容やテキストなどはそれぞれ個人や依頼者の企業側と話し合って決めることが多いので、日本語レッスン自体も自由度が高いと言えるのではないでしょうか。

また、「ビジネス日本語が得意」「英語を介して日本語を教えたい」という専門的なものを持っている方はそういう案件だけを受けることが可能です。

何度も申し上げますが、先述したものはこれはあくまで一般的なメリットなので、日本語教師の非常勤講師に当てはまるかはわかりません。

そして、もちろん【委託する側(企業)】にもメリットがあります!!

  • 労働法が適用されず、人件費を削減できる
  • 確定申告や保険料の支払いをしなくてもいい
  • 仕事があるとき、必要なときだけ依頼することができる

う〜〜〜ん…って感じですよね……😥

これに関しては次の「業務委託契約のデメリット【委託される側(個人)】」で語ります。

業務委託契約(個人・企業側)のデメリット

もうお分かりだと思いますが、業務委託契約は「企業側のメリット=個人のデメリット」です!!😨

業務委託契約のデメリット【委託される側(個人)】」

  • 労働法が適用されず、自分の身は自分で守るしかない
  • 仕事は自分で見つけるしかない
  • キャリアや収入が保証されていない
  • 確定申告を自分でやらなければならない

これを知って私は日本語教師の「業務委託契約」はかなり怪しい労働契約だと思いました……😱

今のコロナや東日本大震災のような災害などで留学生が激減し働けなくなった場合、契約解消になり路頭に迷う可能性があります……

「コロナ禍の今だって非常勤講師の雇用は守られていない!!仕事がない!」とおっしゃる方はいると思いますが、業務委託契約は「労働法適用外」なので、不当な扱いを受けても法律で守ってもらえず訴えにくいのです……😥

これは個人的にかなり危ないと思っています。

でも一方で「業務委託契約」を日本語学校や企業側につきつけて、某医療ドラマのように「致しません!」と言って帰ることも可能かもしれません(笑)

日本語学校の非常勤講師は「業務委託」だってやらなければならないことは「雇用契約の非常勤講師」と同じはずですから、契約書に記載するはずです。

それが記載されていないものは「やらなくていい業務」ですから、さっさと帰ったほうがいいでしょう。

業務がびっしり書かれているなら、その業務分をしっかりと報酬としてもらわないと割に合わなくなります。

つまり、契約がすべてなのでしっかり自分で一つ一つ契約内容を確認しないと大変なことになりそうです……😓

業務委託契約はブラックなのか?

結論を申し上げると、色々調べた結果…日本語教師の「業務委託契約」はブラック求人だと個人的に思います。

「日本語教師読本 Wiki」というサイトの【労働法関連】の「業務委託契約の抜け道」という項目に以下の記述を見つけました。

民間の学校では、講師を業務委託契約にすることで、実質的な残業代の未払いなどいろんなトラブルが起きており、裁判にもなっています。そもそも業務委託契約は、指揮命令権がありません。仕事の進め方について指示が出せない(つまり授業のやり方に関して指示を出すことはできないはずです)、遅刻や欠勤で処分もできない、というもので、決まった時間に来て、授業を行い、授業関連の仕事もしなければならない非常勤講師に適用するのは無理があるのではと思われます。また、仕事の実態が雇用契約であれば、偽装契約とみなされてしまい、雇用契約と同じ義務を負うことになります。つまり、他の非常勤講師が雇用契約であれば、その講師と同じ仕事をやっているのであれば、確実に偽装契約とみなされるはずです。

引用元:日本語教師読本 Wiki 【労働法関連】業務委託契約という抜け道〈https://webjapanese.com/dokuhon/index.php?%E5%8A%B4%E5%83%8D%E6%B3%95%E9%96%A2%E9%80%A3#l1a5897e〉(2022年1月9日閲覧)

もうすでに訴訟が起きているということ=かなり問題が多いということです。

この記事の言う通り、「業務委託契約」は学校と個人に上下関係はありませんから、業務指示は出せないはずです。

でも、日本語学校の非常勤講師と学校の教務が一緒に仕事をする上で、授業のやり方や勤務態度などに指示を出さないわけがないと思いますし、教務(常勤の先生)たちがどのぐらいこの業務委託契約について理解しているのかは謎です……

そして私が一番怖いと思ったのが、「雇用契約の非常勤講師」と「業務委託契約の非常勤講師」が一緒に働いている場合です。

自分がどんな契約で働いているのかなんてあまり他人に開示しませんよね?

他の先生がいくらで働いているなんて、私は日本語学校の非常勤講師をしていて一度も誰かに聞いたことはありませんし、自分の金額を他の先生に話したことはありません。

なぜなら、個人によって時給(コマ給)が違う世界ですから。

初めて働いた日本語学校だと、未経験者と大ベテランの間には1000円も差があると噂されていました😓

また、お金の話だけでなく、社会保険に加入している先生がだれかということも私は当時知りませんでした。

そのへんの話はかなりナイーブな話ですから、講師室でめったに話題にならない→自分以外の契約内容がわからない→不当な契約を結んでいるのは自分だけの可能性もある……

そうなると非常勤講師で団結して学校側を訴えることも難しそうです……😥

業務委託契約での契約の求人に応募するときは、非常勤講師は皆が業務委託契約なのか聞いてみてもいいかもしれません。

雇用契約と業務委託契約の非常勤講師が混ざって一緒に働くなら、業務に違いがあり契約書に明確に明示されているべきであり、そのへんの細かい取り決めがない学校は「あなたを社会保険に加入させたくない」「あなたの確定申告めんどくさい」「あなたを長期雇用する気はない」という、自分のことしか考えていないブラックな学校の可能性があります😥

まとめ

調べれば調べるほど、日本語教師の「業務委託契約」は怪しいニオイがプンプンしてきませんか?😱

少し前の大手の日本語学校の求人で「常勤講師(業務委託契約)」というのを見かけたときは驚愕しました(その求人は期限切れでもう削除されています)。

書いてあった業務内容は雇用契約の常勤講師の仕事とほとんど同じで、学生の生活指導や進学指導、教材整理、成績管理など含まれている………なのに「業務委託契約」??

これもコロナの影響なのかもしれません。

これはあくまで私個人の考えですが……

コロナで留学生が入国できず経営難なのに、多くの常勤・非常勤講師を抱えている→雇用契約があるから労働法で守られている→むやみに講師たちを放り出せない!→これから雇う人はその変が楽な「業務委託契約」にしよう!

みたいな、学校や企業が出てきてるのかもしれませんね😥

ただ私はすべての「業務委託契約」がブラックなものだという気は全く無くて、上述したようにプライベートレッスンなど仕事内容によっては、そっちのほうが有り難かったりすると思います!

そして、どんなに買い手市場になっても、求人に応募してくる側も「選ぶ権利」はあります!!

しっかりとそのへんを意識している学校、企業、組織は、相手のことを考えた求人募集をしている(契約内容をしっかりと明記している)と思います。

相手の誠意が求人から見えない、読み取れない求人に応募するのはやめておいたほうがいいと個人の経験から思いますし、新人だからといって自分を安売りしないでほしいです😥

一度、ブラックな学校、組織に入ってしまったら、抜け出すのもまた大変です。

だからできる限り、知識の自己防衛をしてそういう学校や組織に近づかないのが得策!!

でも、求人サイトの都合上、文字数が限られてかけない場合もあるかと思いますので、そういうものは直接人事担当者に問い合わせましょう。

今回の記事は法律家、社労士ではない、ただの日本語教師の私が書いていますので、参考程度にしてくださいね。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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コメント

  1. souy より:

    お疲れ様、素晴らしい。よく調べられました。ただし日本語教師として、「調べれば調べるほど、日本語教師の「業務委託契約」は怪しいのニオイがプンプンしてきませんか?😱」の中の「怪しいのニオイ」という言葉は、外国人生徒たちと同じ決定的な誤りですね。お気をつけください。

    • さじここさじここ より:

      ご指摘ありがとうございます。ご指摘箇所のミスに気づいていなかったので助かりました! 早速修正しました。日本語教師なのにお恥ずかしい😅

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