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【日本語学校】従来のやり方から大きく変更するときに大切にしたほうがいいこと〜初級の教科書が急に変わったときの話(後編)

日本語学校

こんにちは。日本語教師のさじここです。

こちらの記事は、【日本語学校】従来のやり方から大きく変更するときに大切にしたほうがいいこと〜初級の教科書が急に変わったときの話(前編)の続きになります。

話がつながっているので、まず前編をお読みいただいてから、こちらの後編を読んでいただいたほうがいいかと思います。

前半で書いた出来事「初級の教科書が急に変わったときの話」を私なりに考察しました。

従来のやり方から大きく変更するときは、どんな組織も混乱しますし、反対する人も出ます。

それはある意味仕方がないことだと私はいろんな組織(民間企業を含む)で働いてきて思います。

いかに、現場の混乱を最低限にできるかは、トップに立つ人、マネージメントを行う側次第です。

私が遭遇したこの出来事が、反面教師となってみなさんの日本語学校がいい方向に向かう力になったら幸いです。

「初級の教科書が急に変わった時の話」を私なりに掘り下げてみた

初級の教科書に限らず、学校の方針や指導計画の変更など、やり方が変わることは勤務した日本語学校で多々ありました。

多くの日本語学校も教務(常勤)で話し合って決めたことを、非常勤に伝えて実践してもらう……という流れで運営されているかと思います。

私の話の日本語学校もそうでしたし、過去にも大きな変更点はありましたが、教務(常勤)と非常勤で揉めたことはありません。

読んでいただいてわかるように、今回の「初級の教科書」の変更は、結果的に教務(常勤)vs非常勤という構図になり揉めました。

ぱっとこの出来事を読むと「教務主任」が諸悪の根源のように思われたかもしれません。

確かに、教務主任が急に「初級の教科書を変える」と言い出さなければこんなことは起きなかったと思います。

当時の私もそう思いました。

しかし、今振り返ると教務主任だけの問題ではなく、教務主任を中心とした教務のやり方が悪かったのではないかと考えています。

私なりに問題点を箇条書きにしてみました↓

  1. 非常勤への情報共有が少なく巻き込めていなかった。
  2. 変えようとした時期がよくなかった(教務に余裕がなかった)。
  3. 全クラスを一気に変えようとした。
  4. 教科書に関する勉強会や研修が少なかった。
  5. テスト、宿題、授業進度表、シラバスすべての準備が足りてなかった。

一つひとつ掘り下げてみます。

問題点を掘り下げてみると……

非常勤への情報共有が少なく巻き込めていなかった

教科書の変更スケジュールやプロセスを非常勤と念入りに話し合っていませんでした😭

突然何の情報もなく「来期から初級のメイン教科書を変えます!」と言われたら、どんなに経験のある日本語教師でもびっくりすると思います。

現在の私のようにいろんな場所でいろんな教科書で教えている方なら、「あ〜はいはい、合わせますよ〜」と柔軟に対応できるかもしれません。

それでもやっぱり学校の進度ややり方に合わせて準備はしなくてはいけませんから、突然の変更は戸惑います😥

日本語学校にはさまざまな経歴の先生がいらっしゃり、年代も幅広い。

その学校でしか、そして「積み上げ式の教科書」でしか教えたことがない方ももちろんいらっしゃいます。

新人の先生は経験がありませんから、教科書を急に変えられるのはかなり負担だと思います。

少なくとも当時の私はそう思いました。

やっと、「積み上げ式の教科書」で慣れてきたころで、授業スライドなども揃ってきた矢先でしたから……

そういう先生もいることを念頭に、「近々初級の教科書を変えようと思っていること」「変えるその理由とスケジュール」を教務(専任)側は、初級担当の非常勤一人ひとりに丁寧に説明すべきだったと思います。

講師ミーティングで突然発表するより、先に個別に説明したほうが心臓にいい……

講師ミーティングだとどうしても「トップダウン」の命令的なものになってしまいますが、個別(できなければ少人数)で説明の機会を設けてもらうと非常勤側も質問や意見を言いやすくなる。

教科書を変えることは悪いことではないです!

むしろ、発展するためには教科書を含め、新しいやり方を取り入れるべきだと私は思います。

どんなにすばらしいやり方やツールだったとしても、「生かすも殺すも現場の受け入れ方次第」だと思います。

非常勤に受け入れてもらえなければ、どんなにいい教科書も活かされません。

だって、現場では非常勤の先生が不可欠ですから。

みんなが納得してやり方や教科書を変えられるように教務(専任)はうまく非常勤を巻き込むことをもっと意識して動いていたら、こんな対立は生まれなかったかもしれません。

変えようとした時期がよくなかった(教務に余裕がなかった)

次に、「変えようとした時期がよくなかった(教務に余裕がなかった)」についてですが、教科書を変えようとしていた時期は、入学生がどっと増えてクラスが増設した時期でした。

それに伴い、新しい先生がどんどん入ってきて現場もてんやわんやで、教務(専任)がいろいろフォローできていませんでした

この日本語学校は専任の先生が少ない上、突然やめる非常勤のコマを引き継いだりしてかなり授業にはっていて一人ひとりに余裕がない……そんな状況😭

教務(専任)側に余裕がない状況に大きな改革をするのは非常に危険です。

初級の教科書を変えるのは大改革」だと私は思っています。

なぜなら、初級から中級、上級とすべての授業にかかわってくるからです。

扱う文法項目は教科書によって若干異なっていますし、指導順序も異なります。

以前の記事でも書きましたが、教科書によって「〜ではありません」「〜じゃないです」など扱う形が違います。

中級以上を担当する先生も初級の教科書の全体を把握しておく必要が出てきます。

なので、安易にそして無計画で「初級の教科書を変えよう!」と改革を起こすと、後々いろんなトラブルが噴出するでしょう🥲

全クラスを一気に変えようとした

「全クラスを一気に変えようとした」ことも問題でした。

なにか新しい試みをするときは、まずコントロールできるクラス数で試すのがいいと思います。

これは研究の予備調査と似ています。

新しい試みには失敗もあります。

うまくいかなかったらその都度修正すればいいのですが、クラス数が多いと情報共有やコントロールがどうしても難しくなります😥

この日本語学校で教科書を変えたときは、クラスが多くてもやりながら修正できると思っていました。

初級1(ゼロ初級)は4クラス、初級2(初級後半)は5クラスあり、授業進度や小テスト等の評価基準に関する軌道修正は不可能で、結果的に評価は中間テストと期末テストのスコアだけでつけることになってしまいました。

この学校がそもそも教務(専任)に余裕がなく、専任の人数が少なかったのでうまくコントロールできなかっただけかもしれません。

でも、このことからも「教務(専任)側の余裕」って大事なことがわかると思います。

組織がしっかりして、うまくマネージメントできている学校でしたら全クラス一気に教科書を変えても大丈夫かもしれませんが……😅

ちなみに、ベテランの非常勤の先生は「試しに2クラスだけ変えてやってみるのはどうか?」という提案もしていました。

しかし、教務主任から「全部変えないと次のレベルでのクラス替えなどに支障が出る」と突っぱねられていました。

結果的には一気に変えて、全クラスに支障が出ていましたけど……😥

改革をするなら、「リスクマネジメント」は大切だと思います。

教科書に関する勉強会や研修が少なかった

常勤の先生も使ったことがない教科書なのに、勉強会が1、2回だけで、実践的な内容ではありませんでした。

勉強会で行われたのは、教科書の進め方を確認、副教材の使い方の確認などのみ。

どんな授業なのかイメージが掴めないままスタートしてしまい、結果的に非常勤の先生の力量にお任せ状態でした😥

先述しましたが、この学校は養成講座を修了したばかりの新人の先生から、ずっと日本語教師一筋で働いてきたベテランの先生までいます。

つまり、非常勤の授業スキルに差があります。

これは仕方がないことで、それを埋めるために学校側は積極的に勉強会や研修を実施したほうがいいと私は思っています。

というのも、私が勤めた別の学校はこの学校とは反対にとても研修が多く、学ぶことが多かったからです。(研修がたくさんあって大変だった面もありますが)

新人の頃の私は授業をしていると、教え方に不安や疑問を抱いたりしました。

養成講座の教育実習だと、指導員の先生からアドバイスがもらえたりしますが、いざ現場に出ると結構孤独です。

そんな新人の時期に、他の人の教え方を学んだり、理論をもう一度復習したり、自分のうまくいかなかったことを他人にシェアしたりしたことは、今の私の糧になっています。

話が逸れてしまいましたので、話を戻します。

教科書に関する勉強会は私も参加させてもらいました(この時はまだ初級担当だったので)。

「語彙はいつ導入するのか?」「文型導入はどうやってやるべきなのか?」いろんな質問があがりましたし、私も色々教務主任に質問しましたが、明確なやり方は示されず、教科書の最初の「本書の使い方」のとおりにやってくれ……だけ。

もし、試験導入として1クラス2クラス使用して授業見学ができたり、模擬授業的なものを見せてもらえたら話は変わっていたと思います。

結局のところ、教務主任も他の専任の先生も新しい教科書についてよくわかっていなかったのだと思いますが……😅(たぶん同業者から受け売りがあり勢いに任せて発進しただけかと)

専任の先生も完璧ではないと思いますが、教科書を変えると決めたのなら教務内でしっかり教科書を分析し、やり方を話し合ってから非常勤に情報を降ろしてほしいと思いました

テスト、宿題、授業進度表、シラバスすべての準備が足りてなかった

今まで上げたことの繰り返しみたいになりますが、教務(専任)側に余裕がなかったので、全ての準備が足りていませんでした。

私がいう準備というのは、テスト、宿題、小テスト、進度表、シラバスなど初級を運営する上で重要になってくる項目の準備のことです。

この学校は、教科書を変える前から、毎学期自転車操業のように「授業進度の予定表※」を作成していました。(※たとえば「4/8(月)は◯課の前半文型1〜3」みたいなスケジュール表のことです)

それだけでなく、自分が何曜日どのレベルを担当するのかすら新学期の数日前までわからない状態で、本当に大変……😭

たしかに、新入生の人数が確定しないとクラス数が決まりませんから流動的になる部分はあるとは思います。

でも、学期が始まる直前にしか「授業進度の予定表」や各レベルのクラス担当者が決まらないのは、非常勤として正直、働きにくい環境だと思います。

教科書を変える前ですらこんな状況だったのに、教科書を変えたことで全てを一から作り直す作業が加わりました。

そして、自転車操業でなんとか乗り切ろうとした結果、評価基準(中間期末、小テスト、宿題)が曖昧になり、クラスごとにばらつきが出てカオスに……

一度走り出したものはそう簡単に止まれません。

クラスも増設されましたので、情報共有もうまくいかず、教科書を変えた本来の目的がなんだったのかわからない事態になっていました。

もし、もっと準備期間を長く取ったり、非常勤を巻き込んで準備を進めていたらこんな結果にならなかったかもな……と振り返って思います。

「初めからうまくいくことなんてそうそうない、失敗はつきものだ」

という意見もあるかもしれません。

しかし、学生の立場だったどうでしょう?

学生は高い学費を払って授業を受けているわけですから、学校側はしっかりとその対価に見合う教育を提供する必要があると私は思います。

しっかり準備した上でうまくいかなかったのは次に改善すればいい。

でも、

「本当に準備は万全だったのか?」

「教科書を変えること自体にに固執しすぎていないか?」

と私は感じました。

自転車操業で作成した小テストや宿題のプリントはもちろんダブルチェックなんてできませんでしたから、不備もあり、その対応も専任の先生がしなければならない。

教務主任以外の専任の先生は本当に業務量が半端なかったと思います。

準備が不十分だと本当にいいことない……と思いました😭

やり方を大きく変える時のポイント

以上をまとめるとこんな感じです↓

やり方を大きく変える時のポイント
  • 何かを大きく変えるときはプロセスを教務だけでなく非常勤とも念入りに話し合うのがよい。
  • 変える時期はかなり大事!教務(常勤)側に余裕がないときに変えるのは危険かも。
  • 全部を一気に変えるよりも、まず試しに1クラスだけやってみるのがおすすめ。担当する教師もまず常勤だけでやるとか、協力的な非常勤とチームティーチングをするのがいい!
  • 非常勤の先生のスキルに差があることを念頭に!(新人の先生が置いてきぼりにならないように指導体制を組む)
  • テスト、宿題、授業進度表、シラバスが(仮)でもいいので、全て揃ってからスタートさせる。非常勤に丸投げにならないように配慮を!

これを読むと、「当たり前のことしか書いていないじゃん!」と思われるかもしれませんね(笑)😅

でも「当たり前」こそ忘れがち、見落とされがちかと思い書きました。

もちろん、自分の自戒の念を込めてという意味合いもあります。

何度も言いますが、「変える」のは悪いことではなく、「変え方」のプロセスが重要だということです。

学期が終わるたびにPDCAサイクルをうまく回して、反省会を行い全体でフィードバック、修正をしたものを次に活かせるように行動するのがいいと思います。

うまく組織的に回っていると感じる日本語学校は、PDCAをしっかりやっていると感じます。

まとめ

私は専任として働いたことがありませんので、非常勤側から見た景色でしか語ることができず、専任の先生の立場から見た景色はまた違うものだと思います。

現在専任の方からしたら、理想と現実は違う……こんなの実際にやれるほど人がいないよ、この学校の専任も頑張ってたのでは?って思われる人もいるかもしれません。

この学校の常勤の先生はいつもとても忙しく、体力的にも精神的にも大変そうで見ていて本当に辛かったです😥

教科書問題で学校が揺れているときに、1名専任の先生がメンタルの不調から学校を去りました。

専任の先生の保身のためにも、見切り発車で急に改革を起こすのは大変危険だと思います。

遠くを見すぎて足元の石に転んでしまい、怪我をして歩けなくなるのは本末転倒ですから😥

よくSNSとかで今まで主流だった「積み上げ方式の教科書」からCan-doベースやタスクベースの教科書に変えるべきだ!なぜ変えないのか?みたいな意見を見かけます。

変えたくないのではなく、もしかしたら変えたくても変える余力が学校側にないのかも……なんて私はときどき考えたりします。

「どの教科書を使うか(ツール)」というのも重要な視点かと思いますが、学校という組織で使用する以上「どのように教科書を変えていくか(プロセス)」という視点も同時に考えていかないと、この私のお伝えした事例のように新しい教科書のいい部分が活かされず本末転倒になってしまうと思います。

従来のやり方から新しいものに変えたい場合は、雇用形態に関わらずしっかり密にコミュニケーションをとって話し合いを繰り返しながら、事前準備をしっかりやる、計画を立てる……

これをやればしっかりとした土台ができ、先生が一丸となって改革に取り組む雰囲気ができると私は信じでいます。

登録日本語教員の資格が設立されることが決まったことで、日本語学校は大きな変革を求められる状況にあるでしょう。

それに合わせて専任の先生は申請業務が増えたり、従来のシラバスを改訂しなければならなくなる……専任の先生の業務量もまた心配です😥

改革というのは言うのは簡単だけど、実際にやるのは本当に難しいと思います。

何度も繰り返しになりますが「いかに人をうまく巻き込んで、計画的に、リスクマネジメントを忘れず進められるか」これが本当にポイントになると思います。

偉そうな記事になってしまいすみません。

でもこの記事が日本語学校やその他の組織でマネージメントしている人の少しでもお役に立ったら幸いです。

このブログでは書ききれなかったことをnoteに書いたりしていますので、よければこちらもご覧いただけるとうれしいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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