前回の修士1年目の過ごし方の記事でなんとなく研究について何をすすめていけばいいかわかりました。修士2年目についても教えてもらえませんか?
そうですね、修士2年目は……
こんにちは、日本語教師のさじここです。
この記事では、修士論文がやばい!とならないためのオススメの修士2年の大学院生活についてお伝えしたいと思います。
これから大学院に入学する予定の人、大学院について色々調べている人で、まだ下記の記事↓を読まれていない場合は、先にそちらを読んでいただいたほうが修士2年の全体像を掴みやすくなるかと思います。
この記事を読むと以下のこと↓がわかるようになります!
実際に大学院に入学する、在籍している人だけでなく、これから大学院に入学する予定の人にとっても修士論文の執筆スケジュールが把握できる内容になっているかと思います。
またこの記事は文系大学院の内容になっていますので、理系の方は当てはまらないかもしれません。
参考になるところだけ参考にしていただければと思います。
修士2年目(M2)の前期の過ごし方
修士1年目と修士2年目の間の冬休みには、一般企業に就職希望なら就活が入ってきますし、大学院によっては冬休みで海外実習や国内実習をするところがあるでしょう。
つまり、自分の修論の研究を進めたくともなかなか進められないかもしれません……
でも必ず予備調査(パイロット調査)までは終えておいたほうがいいでしょう。
できれば、冬休みの間に指導教官と今後の研究スケジュールについて相談しておくのがおすすめです。
修士2年目の前期は、おそらくあまり授業を履修しないと思いますが、授業を履修していても研究はガツガツ進めましょう。
研究スケジュールの立て方でもお伝えしたように、大学院によっては修論のための中間発表会があります。
おそらく修士2年目の前期の夏休み前のどこかに開催されているかと思いますので(大学院によって違うので要確認!)、それに向けての準備も並行して行わなくてはいけません!
そこで、修士2年目に突入した段階でこの中間発表会の詳細について確認しておくことをおすすめします。
確認するポイントは以下のとおり↓です。
私の大学院はこの中間発表会の詳細は事務室を通じて連絡があるのですが、毎年直前にしか送られてきません😅
でも、修士1年目の院生は先輩の中間発表会を傍聴することができたおかげでどんな感じで発表するのかがわかり、自分のときも準備が楽でした。
もし私の大学院のように先輩の発表を傍聴することができるなら修士1年のときにしておいたほうがいいと思います(勉強になります!)
傍聴できなくても、周囲の先輩や指導教官から予め情報を得ておいたほうが慌てずにすみます😃
上記の確認ポイントの①〜③は大学院によって全く異なりますので、必ず確認しましょう。
また、中間発表会のためにも、本調査は必ず前期の間に終わらせておいたほうがいいです。
私の同期の中には修士2年目の夏休みまで本調査ができていなかったため大変な目にあっている人が何人かいました。
下手したら修論が間に合わず留年ということもありえます。
ちなみに、修士課程は留年しないとかいう噂もありますが、修士論文の内容次第では留年は普通にあるそうです😱
特にそのまま博士課程に進学したい人は気合を入れて修士論文を書く必要があります(博士課程入試の合否に直結するので)。
しっかりとした内容のものに仕上げるにはやっぱり時間的余裕をもって研究することが大切ですので、修士2年目の前期には本調査まで終わらせておきましょう。
また、この段階で修士論文の書ける箇所は書いておいたほうがいいかと個人的に思います。
というのも、私自身が、簡単に書けると思っていた研究背景や先行研究のまとめの章を書くのに時間がかかり結局直前まで何度も構成を直したり、先行研究やデータを追加したりし大変な思いをしたからです😅
私の尊敬する博士課程を取得した先輩方も「先行研究の章は早めにやっつけたほうがいい!」というメッセージを残していかれました(笑)
修士2年の後期になると研究結果の部分に追われてしまいそれどころじゃなくなるので、時間に余裕があるうちにコツコツ書いておくことをおすすめします。
また、修論を執筆する前にWordの書式やスタイルの設定をしておかないと後々面倒なことになりますので、執筆する前に大学院の修論のフォーマット(行数や余白、フォント等)を確認し設定しておきましょう(この点については【論文執筆の仕方(Word設定など)がわからない不安」の対処法】の記事を参照ください)
修士2年目(M2)後期の過ごし方
いよいよ修論ラストスパートです!!
修士2年目の後期のゼミ(演習)で、ぜひ本研究の結果と考察について発表し先生や他のゼミ生から意見をもらいましょう。
これは修論あるあるだと思いますが、修論を執筆し始めると結構周りが見えなくなります。
たとえば…
・使用言葉の定義について説明されぬまま話がどんどん進んでいっている…
・リサーチクエスチョン(仮説)からズレっていっている…
・結局結論で何が言いたかったのかわからない感じになっている…
自分の中では研究手法や言葉の定義はあると思いますが、修論ではその自分の中にある言葉を言語化し、初見の人でもわかるように書かなければなりません。
これは私がゼミで先生や先輩方からよく言われたことです😅
人が読んでわかる文というものはやっぱり自分だけでは判断できませんから、ゼミ(演習)の機会を利用してみんなに読んでもらうことが大切かと思います。
その他、私が修論を書いていて気づいたことや先生方から指導されたこと(内容面)を以下にまとめてみました。
①、②これまでの私の記事でわかるかと思うので割愛します。
先述した③の先行研究の書き方に関しては、他の先輩の修論や博論を参考にして書いたほうがいいです。
私は大学院の論文執筆のゼミや授業で、先行研究の部分はただ読んだ先行研究を羅列しているだけではだめで、どのように自分の研究に関係し先行研究のどの部分がまだ明らかにされてないか、着眼点を明確にするストーリー性が大切だと教わりました。
これは研究の目的にもつながっていく修論の軸みたいなものになるかと思います。
先行研究といえど手を抜かずに執筆することが重要です。
④のリサーチクエッション(仮説)ですが、ゼミの発表でたまに「リサーチクエッションはどこいった?結局回収していない(できていない)」問題が話題にあがります。
私もそうでしたが、論文を書いている本人は回収した気になっていますが、それが案外伝わっていない(笑)
また、そもそも話が脱線してしまい結論が仮説と離れてしまっている場合もあるかと思います。
漫画に例えると伏線がちゃんと回収されていない感じです……なんかモヤモヤしますよね?😅
最後の結論では仮説検証した結果が述べられているか、研究目的は達成されているのかを確認しましょう。
⑤のクロスリファレンス(相互参照)についてですが、参考文献に載せた論文は本文内で言及しなくてはいけません!!
言及していないものは参考文献リストに載せてはいけませんし、逆に本文で言及されているのに参考文献リストに載せていないのはNGですから注意してください。
論文の盗用・剽窃を疑われないようにしっかりこの点は提出・印刷前に確認しましょう。
⑥の章立てについてもあるある話で、何もわからないゼロから自分で勝手に章立てしてしまい、出来上がってから指導教官にダメ出しされて大幅に修正しなきゃならないことになった…同期がいました。
これは時間がもったいないですし、下手したら全て書き直す必要も出てきますから避けたいですよね😅
章立ては学部、研究科によってもお作法みたいなものがあると思いますので、わからなければ指導教官に確認するのがおすすめです。
また、以下の石黒圭先生が書かれている「論文の書き方について」の論文は修論執筆でも大変参考になります。
内容は学会誌の投稿論文(査読付き)に関するものですが、修論でも重要なポイント(先行研究について、研究計画についてなど)がたくさんありますよ!(できれば修士1年目に読んでおくといいかも)
ぜひ読んでみてください↓😃
石黒圭(2012)「論文の書き方査読者との対話としての投稿」『専門日本語教育』14巻,pp3-10 〈 https://doi.org/10.11448/jtje.14.3〉
修論が完成したら指導教官にみてもらい、OKが出たらいよいよ印刷です。
製本が必要な場合は、予め印刷所を調べておくとスムーズですよ。
印刷所によって出来上がりの日数も費用も違うので、いくつか見てみるのがオススメ!
また、修論が完成するのがギリギリになりそうな場合はかならず事前に問い合わせていつまでに持ち込めば間に合うかを確認しておきましょう!
また、修論提出時の書類があるかと思いますので、そちらも漏れがないようにしておきましょう。
実は私…修論提出時に提出に必要な書類を見落としていて準備しておらず…修論提出時にちょっと(かなり)焦りました(笑)😅
修論は提出が完了するまでが修論ですよ!
まとめ
ここまでの記事(修論の書き方①〜③)で修士課程2年間のだいたいのスケジュールと修論完成までのすべきことをお伝えしてきました。
ここまでお読みいただくと分かるように、無理のないスケジュールで修論を完成させるためには「しっかり研究計画を立てること」が一番重要だと思います。
まだ大学院に入学していない方、修士1年目の方は「研究計画」について立ち止まって考えてみましょう。
現在修士2年の方はもう突き進むしかないと思いますので、周囲の人に相談しながらベストを尽くして頑張ってください💪
これはあくまで私の経験に基づいていますので皆さんのケースが当てはまるかはわかりません。
でも、上記の修論執筆(内容)で気をつけるべき点については共通だと思いますので、ぜひこのリストを参考にご自身の修論と照らし合わせてみてください。
これらの記事で少しでも皆様の「研究スケジュール不安」が解消されたらうれしいです。
でも実際は研究が始まってから壁にぶち当たる……「論文執筆の仕方(Word設定など)がわからない不安」「研究が進まない不安」😭
以下の記事↓が参考になるかと思いますので、ぜひ読んでみてください😁
また、修士2年目は卒業後どうするかも考える必要があります。
博士課程に進学するのか、就職するのか、海外へ行くのか…など…考えだしたら一人悶々とするかもしれません。
そのときに参考になる本が『文系研究者になる「研究す人生」を歩むためのガイドブック』(石黒圭 著)です↓。
こちらには、卒業後のキャリアだけでなく、修論執筆のためのチェックリストなど研究の仕方についても書かれてますので、ぜひ参考にしてみてください😁
最後までお読みいただきありがとうございました。
「この情報が役に立った!」という方は「ブログ村」ボタン↓をクリックしていただけると嬉しいです😃
にほんブログ村
コメント