日本語学校で働き始めて1ヵ月経ったんですが、授業の組み立て方に自信が持てずにいます。うまく授業できてない気がして……
私も日本語学校で働き始めたばかりのことは、「これでいいのか?」と不安になって、いろんな本を読んだり、周囲の先生にアドバイスを求めたりしてました。
こんにちは、日本語教師のさじここです。
めちゃくちゃ久しぶりのブログ更新になります。
1ヵ月ぶりです(笑)
ブログに書きたいことがいろいろあるのですが、大学の非常勤の仕事や論文執筆等でなんだか最近忙しく……ブログが放置気味に……😅(近況はnoteの方で書いていますのでよければ…😅)
忙しいのは私だけではなく、日本語教師業界自体もそうですよね!
留学生が戻ってきて、「非常勤が足らない〜」という、うれしい!大変!?という悲鳴も聞こえてきてみんな忙しい状況かと。
養成講座修了された方や検定合格者の方はコロナ禍でずっと教壇に立つ日を待ち望んでいたと思います😄
この秋で「やっと採用された〜!」という方、新人の方、実際に教壇に立ってみてどうでしょうか?
「思ったよりもうまくできてる!楽しい!」
という人もいれば、
「授業準備が自転車操業でもうやばい……」
という人もいらっしゃるかと😅
あと……
「授業ってこんな感じの進め方で大丈夫なのか?」
「学生の反応がイマイチなんだけど………」
「学生がちゃんと理解しているかどうかわからない」
と授業をするたびに不安になっていく方もいらっしゃるかもしれませんね。
現在、割とどの日本語学校も人手不足みたいで、新人の先生の教育まで手が回っていない……という学校もあるんじゃないかと思います😅
ということで、自分の教案(授業の進め方)に不安を抱いている新人の先生の助けになるような本を今回紹介したいと思います!
今回この記事で紹介する本は、実際に私が新人時代に読み漁った本たちで、新人の頃に出会えてよかった〜と思った本です😊
新人の方だけでなく、ベテランの日本語教師の方にとってもブラッシュアップになる本でもあるかと思います。
最後までお読みいただけるとうれしいです。
授業の組み立て方について
最近は、教案もネットで検索すれば、「導入〜応用練習」まで丁寧に書かれているものが出回っていたりします。
それも、結構、教師のキューの出し方や学生とのやりとりのセリフまで細かく書いてあるものまで!
私が新人の頃はそこまで出回ってはいませんでしたから、最近はいろいろ進んでいると思います。
例文や、練習のヒントに使う分ならいいと思いますが、さすがに丸々コピペはどうなのかな?と個人的に思っています。
というのも、過去に出会った新人の先生の中に、ネットの教案を完コピしていて常勤に怒られている人がいました〜(笑)
その方はすぐ辞めちゃいましたが……
この記事をお読みくださっている方の中にはまあ完全コピペしている先生はいないと思いますが……😅
ネットで公開されている教案の中には、「う〜ん、これで大丈夫?学生はついてこれる?」「この導入大丈夫?」というものも中にはありますので、全てを鵜呑みにするのは良くないと思います。
最初から何も考えずに人の教案に頼りすぎると、その教案が公開されなくなった時や使用する教科書の教案がネットで落ちてなかった時、前へ進めなくなる可能性が……😓
そうなったらこわくないですか??
なので、新人のうちから「授業デザイン」を学んでおいた方がいいと思います。
参考までに、以下は私の授業を組み立てるときのポイントを書いた記事↓です。
決して「授業準備に時間をかけろ、一からオリジナルを作れ!」というわけではないです。
ただ、新人のうちから自分の頭で考え、うまく人のものを利用するようにした方がいい。
「この導入の例文って自然かな?」とか、「この練習の意味(意図)はなんだろう?」「この文法解説は合ってるのか?」とか、「自分の教えている学生にあった話題だろうか?」とか……
そういう部分に着目しながら、他の方の教案を見ると、とても勉強になりますから、他人のを見ちゃダメということではないです。
ただ、「授業デザイン(組み立て方)の基本」を知ってから参考にするのと、しないのではかなり授業内容が変わってきます。
もし、ご自身がこの先日本語教師としていろんなレベルを教えたい、キャリアアップしたいと考えるなら、「授業デザイン(組み立て方)」をおさえて授業(教案)を組み立てたほうがいいです😄
じゃあ、一体、「授業デザイン(組み立て方)」って何?!と思ったと思いますので、それが書かれている「私の授業デザインの元になった本」たちを紹介します♪
おすすめその①:「日本語教師の7つ道具シリーズ+(プラス)」教案の作り方編
★教案の作り方編 (日本語教師の7つ道具シリーズ+(プラス)) 横溝 紳一郎 (著), 坂本 正 (著)
この「日本語教師の7つ道具シリーズ」は、私が新人時代にめちゃくちゃお世話になった本です。
具体的に書かれているので、どんな要素が教案には必要なのか、どんな手順で考えて書けばいいのかがわかりやすいです。
教案例ものっているのでありがたかった。
教案について右も左も分からない人はまず読んでほしい一冊!
また、同じシリーズでこちら↓もありますよ。
★「日本語教師の7つ道具シリーズ1授業の作り方Q&A78編」大森雅美 (著), 鴻野豊子 (著)
こちらはタイトル通り、日本語教師の授業しているときの疑問に答える形式で進んでいきます。
↑Amazonリンクからだと試し読みができますから気になる方は立ち読みしてみてください😊
余談ですが、私は著者の大森先生の語彙の教え方の授業を受けたことがあります。
「語彙ってこうやって教えるんだ〜!」と終始感動しっぱなしでした!!
本ももちろん、現場の教師目線で書かれているのでわかりやすいのでおすすめです♪
おすすめその②:新人日本語教師のために授業づくり練習帖
★新人日本語教師のために授業づくり練習帖 鴻野豊子 (著), 高木美嘉 (著)
こちらも具体的に書かれていて、読みやすい一冊です!
「書く」「読む」「話す」「聞く」「漢字・語彙」「文型・文法」の授業について章にわけて解説されています。
授業場面が具体的に提示されて、「どんな方策を取ればいいのか?」を自分で考えながら読み進められますよ😃
新人の方だけでなく、経験を積んだ方にもブラッシュアップにもなりおすすめの一冊です。
こちらもシリーズ化?されていて、①の7つ道具シリーズと同様に、実際に授業してみた日本語教師の困りごとに寄り添ったQ&Aの本↓も発売されています。
★新人日本語教師のためのお助け便利帖 鴻野豊子 (著), 高木美嘉 (著)
困りごとの例は……たとえば、作文のテーマが決まらない、クラスの発言する人が偏っちゃう……など……
日本語学校あるあるが満載なので、これから教壇に立つ人は読んでおいて損はないかもしれません😅
ベテランの人は「これあるある!!あるよね〜(笑)」ってなるかと。。
↑どちらも上記のAmazonリンクからだと試し読みができますから、気になる方は立ち読みしてみてください😊
おすすめその③:上手な教え方の教科書〜入門インストラクショナルデザイン〜
★上手な教え方の教科書〜入門インストラクショナルデザイン〜 向後千春(著)
この本は上記に挙げた本とは異なり、日本語教育というより「教えることを仕事にしている人」向けに書かれている自己啓発本的な本です。
「効率の良い上手な教え方」について書かれた本で「インストラクショナルデザインについての入門書」です。
この本の「インストラクショナルデザイン」とは、「教えることの科学と技術」です。
授業をデザインするときに意識した方がいいことが科学的根拠に基づいて解説されているので、日本語を教える上で役に立つかと。
「り……理論とか無理……難しそう……」
と思った方、ご安心ください!
マンガで解説されているので、活字が苦手な方でも読みやすいです😊
教案を書くにあたって、押さえるべき具体的なポイント(たとえば、その文法の注意事項や練習方法について)も必要ですが、こういう「教える行為」についての押さえるべきポイント(ADDIEモデルなど)がわかってくると、自分の授業がもっとわかりやすいものになるかもしれません。
私はこの本を読んで、なんとなく養成講座で習ったことを真似して〜というフワッと授業から、根拠に基づいた構成の授業ができるようになった気がします。
第二言語習得(フィールドバック等)の範囲にも被る部分があります。
あと、個人的には子育てに役に立っています(笑)
日本語教師に限らず自己啓発本としておすすめしたい一冊です😃
まとめ
他にも紹介したい本はたくさんあるのですが、長くなりそうなので、とりあえず今回はここまでに😅
紹介した本は、「授業の組み立て方がわからない人」や「もっと学生が惹きつけられる授業の流れにしたい」「効果的な教え方を取り入れたい人」向けです。
ただ漠然と「前作業」「本作業」「後作業」という感じで淡々と教案を書くよりも、
『一つ一つの活動の意味を考えながら、
「目標を達成するためにはどういう導入が適切なのか?」
「どうして練習が必要なのか?」
を自然と自分で自問自答し考えらえるようになりなさい』
と私の尊敬する日本語教師の大先輩は教えてくれました。
百聞は一見にしかずで、授業が上手だと噂される先輩の授業を見学するのが「上手な教え方の習得の一番の近道」だと個人的に思います。
でも、なかなか見学できる雰囲気ではない……という学校もあると😅
そんなときは悲観せず、本を読んで自分で知識を得るというのも一つの手ですから、紹介した本だけでなくいろんな本を手にとって読んでみてください😊
また、この手の本はおそらく日本語学校にあると思いますので、自分で買わなくても教務の先生に頼んで借りるという方法もあります。
(もしなかったら、ちょっとその日本語学校大丈夫?って思っちゃうかも(笑)😅)
私はそうやっていろんな本を読んできたので、そういう部分でも日本語学校を活用していきましょう!
この記事がみなさまのお役に立ったら幸いです。
Part2「技能別授業の作り方のおすすめ書籍」編も書いたので↓こちもお読みいただけるとうれしいです。
最後までお読みいただきありがとうございました😊
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