大学院に入って研究を始めましたが、研究が全然進みません……やりたいことはなんとなくあるのですが、どうやって分析したらいいかわからなくて……
私も研究方法で悩みました……私が知っている分析方法をざっくりシェアしますね!
こんにちは、日本語教師のさじここです。
大学院を修了して時間が経過し、最近、だんだん記憶が薄れていっています(笑)
忘れる前に忘却録として「研究」について書いておこうと思い、今回は「研究の分析手法」について私の知っている範囲でざっくり紹介をしたいと思います♪
結構、分析手法が決まらなくて悩んでいる大学院生は多いはず!
私もその1人で結構困りましたから(笑)
ここから紹介する手法は、書籍にのっていることを引用したりしながら紹介してます。
私はその手法の専門家ではありませんので、必ずご自身の手で詳細は調べてくださいね。
自分のゼミの先輩が行っていた手法やワークショップ、授業で体験した経験を元に書いています。
つまり、大学院入学したばかりの修士1年生の視点でざっくり書いています!
気になった研究手法があったら、ご自身の手で図書館などでその分析の専門書を読んで理解を深めてください。
あくまでも入口としての情報提供です。
「こんな手法があるんだ!」
「こんな本があるんだ!読んでみよう!」となったら嬉しいです。
これから大学院入試を受けるために、研究計画書を書く人にも参考になるかと思います。
※万が一情報が間違っていたら、ご一報いただけると幸いです。
分析方法の前に……
分析手法を探す前に、まずご自身の研究テーマについてしっかり掘り下げておくことをお勧めします。
たまに「統計は自分には合っていないから、とりあえずインタビュー調査しておく」みたいな感じの人も見かけました。
しかし、その人が本当にやりたいこと、研究で明らかにしたいことがインタビュー調査では明らかにできず、やり直し……😭みたいなことになっていたので、調査をする前段階が非常に大事だと言えます。
統計知識の不足などはやりながら自分で学んだり、先輩や指導教官に相談したりすればいいかと思います。
私の大学院はそんな感じでみんな研究をやってましたし、先輩助けてもらっていましたよ。
周囲がどうしても助けられないのが「テーマ(研究目的)」です。
それは自分でしっかり決めて、「どうしてそのテーマで研究したいのか?」「きっかけはなんだったのか?」「明らかにするとどんないいことがあるのか?」「未開拓のエリア(研究されていない)か?」を深掘りしていかなければなりません。
調査を始めたら軌道修正ができなくなってしまい、取ったデータや調査に協力してくれた人たちの時間も無駄になることもあります😥
「分析手法」ありきではなく、本当に自分がやりたいことを見つけてくださいね。
研究テーマが見つからない人は以下の記事↓が参考になるかもしれません
研究デザインはしっかり言語化して、ノートやWordなど記録しておくとよいでしょう。
この辺りはめんどくさがらず、なんでもメモメモ!
「メモ魔」になりましょう!
ふっと思いついたことがその後の研究のアイディアにつながることがたくさんあります。
「なんで?」「どうしてそうなるのか?」という小さな疑問は研究のタネ(ネタw)です。
私はアナログ人間なので、「研究ノート」というものを作って、矢印を書いたり、吹き出しを入れたりして自分の気持ちを掘り下げ、研究目的を言語化しました。
私の場合、手を使って作業するとなんとなくスッキリ整理するんです😊
Wordやエクセルでまとめたっていいです。
とにかく自分の今の気持ちを記録しておきましょう。
これは後々自分が「あれ?何がしたかったんだっけ?」となった時のコンパス(道標)になります!!
なんとなく自分の研究テーマ(研究目的)の輪郭が見えてきたら、それを明らかにするための手段が何か考えましょう♪
それが「分析手法」です😊
「量的調査」と「質的調査」
研究手法は大きく2つに分類されます。
それは「量的調査」と「質的調査」です。
漢字を見るとわかるように、「量的調査」は質問紙(アンケート)などを用いて大量に情報を集めて統計的に分析する方法です。
最近はよくGoogleフォームなどのツールを使ってデータを収集することもあります。
「質的調査」は少数のグループや個人を対象に観察、対象者にインタビュー、記録物などの文章から数量的にはわからないデータを集めて分析する方法です。
それではそれぞれの調査の手法について見てみましょう!😀
量的調査について
統計分析とは?
先述したように、なんとなく、量的調査=統計というイメージがありますよね?
「とりあえず、大量にデータをとったら、統計にかける!有意差をみる!」みたいに私は単純に思っていましたが、その「統計分析」が厄介です😥
統計分析といってもいろんなやり方があります。
引用元:本田弘之・岩田一成・義永美央子・渡部倫子(著)『日本語教育学の歩き方-初学者のための研究ガイド』p.181図10−1の一部を筆者が箇条書きにした
- 平均の違いを見る…「t検定(2つの変数)」「分散分析(3つ以上の変数)」
- 質的データ(度数・頻度など)の違いを見る…カイ二乗検定
- 関係を見る…創刊分析(2つの変数)
- 関係を整理する…因子分析
- 関係を確かめる…共分散構造分析(回帰分析)
上記は『日本語教育学の歩き方-初学者のための教え方ガイド』の引用になります。
(こちらの本は記事の最後に読むべきおすすめ参考書としても紹介しています♪)
この引用部分は「記述統計」をした後の統計処理になりますよ。
どんな統計処理もまずは「記述統計」を行います。
量的研究において仮説検証を行うためには、数量化されたデータ(サンプル、標本)を集める。集めたデータの傾向をわかりやすく表す統計を記述統計(descriptive statistics) と呼ぶ。
引用元:本田弘之・岩田一成・義永美央子・渡部倫子(著)『日本語教育学の歩き方-初学者のための研究ガイド』p.182の冒頭
その際には、平均値(M)、標準偏差(SD)がよく用いられています。
このあたりは馴染みのある言葉だと思います。
しかし……
「どうして大量データを統計にかけなきゃならないのか?」
「t検定、カイ二乗検定……なにそれ?」
と疑問に持つ方もいらっしゃるかと😅
私もそうでしたからご安心ください!
私のような疑問を持った方は、まず、統計分析に関する基本が学べる本を読んでから、分析手法について学ぶといいと思います😅
個人的にはマンガで学ぶ系がまずは読み進めやすいかなぁと思います。
例えば、①「マンガでわかる統計学入門」↓とか……
②「マンガでわかる統計学」とか……
なぜこういう系の書籍の表紙は女の子が多いのか…😟
マンガ系が苦手な方は、会話調の③「ゴリラ部長が教えてくれた統計の「超」入門」↓もあります!
ここに紹介したものはAmazonだと試し読みができますよ。
私がこれならわかりやすい!といっても、個人でわかるポイントわかりにくいポイントが異なるので、ご自身で本屋へ行き色々立ち読みしたほうがいいかもしれませんね。
統計の本ってめちゃくちゃたくさんありますから!!😥
量的調査を行いたいと思った人だけでなく、授業で統計をとっている人は「入門書」みたいな本を一冊手元に置きましょう。
そのほうが理解しやすくなると思います!(学部で専門的に統計をやっていた人はいらないと思いますが……)
また、先行研究を読み進めるときにも統計知識は必要になってきますから、大学院生活で統計は避けては通れないと思います……😅
私は修論を質的調査で書きましたが、先行研究では統計知識がないとさっぱりわからなかったですし、授業でも統計分析を使ってレポート(ミニ論文的なもの)を書かなきゃいけませんでした😱
統計の分析ってどうやるか?
先述した引用部分で「何を明らかにするのかによって、どのような統計分析を行うかが変わる」ことはわかっていただけたかと思います。
でも、集めたデータ(数値)を計算しなきゃならないというのはどの統計分析でも同じです。
「数学苦手……今更、微分とかわからない!!」と思った方、安心してください。
計算してくれるのはPCソフトですから(笑)
使うソフトウェア、プログラミングソフトは色々ありますが、代表的なのは「Excel」「SPSS」「R」ですね。
Excelなんかは普段から使用している人が多いと思うので、割と使いやすいと思います。
また、ネット上に数値を入れると統計分析してくれるサイトもありますから、色々ご自身で調べてみてください。
でも、統計初心者の方はいきなり1人でやるのは危険なので、ゼミの先輩や指導教官と相談しながら、進め方があっているか確認しながらやったほうがいいと思います!!
次の質的分析は個人の感性、直感みたいなものが重要になってきますが、量的分析は手順が明確で結果が数値化されます。
数値が少しでも異なる(計算の仕方にミスがあると)と、もちろん結果は変わります。
なので、だれかに念の為チェックしてもらえるようお願いしておかないと、修論を執筆するときに大惨事になりかねません。
また、結果の記述文もお作法があります!
その辺りのことも知りたい方は以下の書籍がおすすめ↓です。
④日本語教育のためのはじめての統計分析
⑤統計で転ばぬ先の杖
こちらの2冊は同じ著者の日本語教育の先生が書かれた本です。
特にに「日本語教育のためのはじめての統計分析」では、出てくる例が留学生のプレースメントテストとか日本語教師にとって馴染みのあるものなので、きっと読みやすいと思います😀
こういう本には例題(練習問題)がついています。
統計に限らずですが、私は本を読んでわかった気になってもいざやろうとするとできない……ということが大学院時代たくさんありました(泣)
なので、自分の手を動かす、実際にPCで操作してみる、他の人の確認してみるということって大切だと思いました。
統計は実際に自分でやりながら学んでいく感じになると思います。
私は問題を解いてやっと少しわかりました(笑)
本を読んでもよくわからないなら、だれかと一緒に本の問題をやってみて、教え合うようなことをしてみてください。
余談ですが、私は同期と勉強会をしていましたよ♪
わからないときは1人で悩まず周囲を頼って研究をすすめていくのがおすすめです!
まとめ
長くなったので、まずは「量的調査」についてざっくり書いてみました。
「もっと統計の分析方法について詳しく知りたかった!😥」
「具体的にどんな研究が量的調査なのか知りたかった……😓」
という方もいらっしゃるかもしれませんね。
すみません、それは以下の本↓を読んでみてください。(先述の引用した部分の書籍です)
⑥「〔改訂版〕日本語教育学の歩き方ー初学者のための研究ガイド」
私の知識では深く書けませんでした。
量的調査は実際私は修論でやっていないので……😓
とりあえずこの一冊を読んでみて、もっと知りたい部分があったら本の中で紹介されているものを読んだりして深めていくのがいいかも……と思います。
この記事以外の「修士論文の書き方」や「研究計画書の書き方」の記事↓でも参考書は紹介しています♪
入学したばかりの修士1年目の私はゼミの先輩の研究についていけなくて、ただ、ただ発表を聞くだけでした😥
「p値」「中程度の相関関係が認められた」「相関係数は有意水準1%であった」とか……
「この人たち何言ってるの?やばいついていけない……」ってなっていました😭
そこで、
「他の人の研究報告をわからないまま聞き流して過ごす」
か、それとも
「頑張ってついていけるように勉強するか」
道は2つです。
私は自分の大切な貯金で大学院に通っていたので、「1秒たりとも無駄にしたくない」「聞き流すなんてもったいない!」と思いましたよ〜
自分が発表しないゼミの時間こそ本当に学びが多いと思います。
「自分にはその研究は全然わからないから……😥」と思って、質問したり意見を言ったりしないで過ごすのは、「フレンチのフルコースに行ってメインを食べずに帰ること」だそうです。
私の尊敬する教授がゼミの時に教えてくださいました✨
研究の分析方法を知ることで、いろんな視点で建設的な意見をすることができます。
「建設的な意見」ができれば、その分他の人から「建設的な意見」をもらうことができますよ。
私はゼミのみんなの「建設的な意見」のおかげで、修論が書け、その修論の一部を学会誌に投稿できました。
そして、採択され雑誌に掲載され、修士論文としての研究だけでなく一つの公の研究成果として認められました。
これは私の力では成し得なかったことです。
そのおかげで私は今大学の非常勤の職を得ることができています。
そう、道はつながっているのです。
なので、大学院に在籍しているうちに、どんどんいろんな先行研究に触れ、分析手法を学びましょう。
得た知識はその後いつかきっと自分の役に立つと思います。
わからないときは、恥ずかしがらずに正直にわからない部分を教えてもらえばいいのです。
でも、自分でもある程度勉強した上で聞くようにしてくださいね。
ゼロから教えてくださいというのは、相手の時間を奪うことになってしまいますから😅
長くなりましたが、ここまでお読みくださりありがとうございました。
「質的調査」については「【修論の書き方】研究の分析手法って何があるの?〜量的調査と質的調査〜②」で書きますので、そちらも参考にしてみてください😊
この記事がみなさまのお役に立ったら幸いです。
noteの方でもブログを更新の告知をしたり、ブログで書ききれなかったことを書いたりしています。
こちらもぜひよろしくお願いします♪
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