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【日本語教師】大学の非常勤講師ってどんな感じ?〜大学非常勤講師の世界:その①〜

大学院

大学の非常勤講師ってやっぱり給料いいんですか? 日本語学校と比べてどうなのか知りたいです!

さじここ
さじここ

時給は日本語学校よりはかなりいいですよ〜でも……って感じで、色々思うところが……

こんにちは、日本語教師のさじここです。

私はこの秋から大学の非常勤講師として日本語を教えています。

大学院進学時の目標であった「大学で日本語を教える」という夢がついに叶いました〜〜✨

こんなに早く夢が叶うとは思っていなくて正直自分で驚いています。

私が大学院を卒業したこの春(2022年)はまだ、留学生入国規制があって日本語教師として働くことがちょっと危ぶまれていました😓

でも、いろんな人に助けてもらったり、italkiでオンラインプライベートレッスンしたりと、なんとか日本語教師をほそぼそと継続……

その傍らでは、研究業績を作るために論文をひたすら書いていました。

そうした活動が実って、 現在、二つの大学で日本語を教えています!

詳細は、noteの記事に書いていますので、興味がある方はぜひお読みください😄

で、実際に大学の非常勤をして未知な世界に踏み込んでしまい、「抱いていたイメージと違った問題」に直面しています(笑)😅

そう、大学の非常勤講師の実態ってなかなか情報が……ない……未知の世界……

ということで!

大学で教える前は、知らなかった、わからなかった「大学の非常勤の世界」を私視点でまとめてみました。

修士取得したら「薔薇色の日本語教師の人生が待っている💓」なんてとんでもなかった……😱😱

そんな世界をご紹介♪(笑)

この記事でわかること
  • 大学で日本語を教えるには?(必要条件)
  • 大学の非常勤講師の給料ついて
  • 大学の非常勤で食べていけるのか?
  • 大学の非常勤はぶっちゃけどんな感じ?

特に、これから私のように、「大学で日本語を教えたい人(できれば大学教員のキャリアを歩みたい人)」は必見です!

大学院を進学を考えている人も、読んでおくといいかもしれません。

修士とってから「あれ?おかしい……こんなはずじゃ……」とならないように、ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。

※あくまで、私が勤めている大学(首都圏)や知り合いの先輩から聞いたりした話をもとにこの記事を書いています。地方大学や、留学生別科とはまた話が違うかと思うので、参考程度にしてください😅

私が知らなかったこと①:修士号だけでは大学の求人に応募できない

大学院に行って、修士号を取得すれば大学の非常勤の求人に応募することができる〜!

と、院生のときは思っていました。

しかし、実際に蓋を開けてみると……まさかの、「研究業績:論文2本以上」「大学等で2年以上の教授歴」が求められている場合が……😰

まじか……修士だけじゃ応募できないのか……と思いました。

「なんのことかさっぱり……」という方もいらっしゃると思うので、詳しく説明したいと思います😅

と、その前に、大学の求人を見たことがない人はこの記事を読む前に一度見てみることをおすすめします。

その方がこれからするお話がわかりやすくなるかと。

私は大学の求人を日本語教育学会のサイト(https://www.nkg.or.jp/boshu/)でよく閲覧していますよ。

こちらのサイトには全国の大学の求人が集まっていますので、大学の求人に興味がある方はぜひこの機会にご覧になってみてください😊

求人条件の壁①:「大学等で2年以上の教授歴」

大学の求人は日本語学校の求人よりやはり条件が厳しいです。

大学なので「修士、もしくは博士号」を取得し(場合によっては見込み可)だけでなく、やはり「教授経験」もみられるところが多い印象です……😥

それは、日本語学校での教授歴を含めることができない場合が多い

私は日本語教育経験者として大学院に入学していますから、教授経験があることは証明されていますが、大学ではないので「ゼロ」です。。。

「大学等で2年以上の教授歴」が「ゼロ」の人はどうしたらいいの〜〜〜〜〜?!😱

って感じです。

なんか、これ、デジャブじゃないですか?

養成講座終了や、検定合格した人が阻まれる壁に似ています。。。

養成講座終了時、「教授経験1年以上〜」と書いてある日本語学校ばかりで応募すらできなかった新人の頃の記憶が久々に蘇りました……(汗)

まさか、修士号取得しても同じ壁にぶち当たるとは、想定外😱😱

でも、どこかの大学で経験しないといつまで経っても私は大学の教壇には立てません。

この壁を打破する方法は2つです。

その①:教授経験が求められない求人にひたすら応募して、教授経験を稼ぐ

その②:母校の大学で雇ってもらう

その③:教授経験の条件がない大学求人を見つける

卒業した先輩の中には、中国など海外の大学に就職する人がいます。

海外の大学で教えても、それは大学の教授歴としてカウントされるようですので、教授歴を稼ぐために海外に出て、国内に戻ってくる方も。

しかし、私のように結婚して子どもがいて……という制約がある人は、その②「母校の大学で雇ってもらう」もしくは、その③「教授経験の条件がない大学求人を見つける」しかないです。

私は②のパターンです。

しかし、母校であったとしても、非常勤の条件は存在するので、「卒業生だれでも非常勤できる」というわけではなさそう😥

もちろん求人の中には、大学での教授歴を求めない、もしくは、日本語学校などの教授歴もカウントする大学求人ももちろんあります。

そういう求人は稀なので競争率高めで、非常勤講師というより「教師アシスタント」みたいなポジションだったりするので、しっかり求人を確認することをおすすめします。

求人条件の壁②:「研究業績:論文2本以上」

大学の非常勤のポストの求人には「大学等で2年以上の教授歴」以外に、「研究業績(論文2本以上)」という条件がついていることもしばしば……😢

「論文2本以上ってなに!?😨」

って感じですよね。。

修論を1本と数えたとしても、もう1本論文を書いてどこかに投稿し掲載してもらわないと業績として認められません(修論を業績とカウントできるかは大学次第かも……)

つまり、大学非常勤講師の世界に入りたい=終わらない研究生活のはじまりです(笑)

修論書いて、もう研究なんて無理〜〜〜!!と思うなら、大学の世界でキャリアを積むのは厳しいかもしれません……

大学は研究する場所ですから、多くの大学が非常勤にも研究業績を求めています。

つまり、研究成果がある人じゃないと雇ってくれない(泣)

どんなに日本語の教え方がうまくても、論文1本も書いてなかったら、アカデミックの世界では評価されないのです😥

修士論文は基本的に非公開で、各大学で所定の手続きをとらないと読ませてもらえません。

その一方で、修論の研究をもとに、学会誌に投稿したり、大学の紀要出したりすることが可能です。

博士課程進学した場合、まず、修論の基礎研究を1本目の投稿論文にする場合が多いそうです(できがよければ(笑))。。。

卒業後、ゼロから研究をスタートさせる必要はなく、今まで修士課程でやってきたことを形にできれば、業績になる可能性があります。

私は、修論の全ての調査をフルに使って学会誌への投稿と口頭発表を卒業後に行いました(詳細が知りたい方はnoteをお読みください)。

そのおかげで、大学の後期授業までに業績論文2本をゲットし、運良く母校の非常勤枠にこぎつけました😭

私の母校は、卒業生であっても「業績論文2本以上」ないと非常勤になれません。

なので、非常勤をしている方の多くは博士号を取得した先輩ばかり。

この辺りは、大学の規定によるので、もしご自身の大学で働きたいなら指導教官などに聞いてみるのがいいかと。

「情報は金なり!」です。

そもそも、ポストが空いていないとダメなので、どちらにせよ母校の求人はこまめにチェックが必要です。

また、急に非常勤の先生がやめたり、授業講座を増やさなきゃならなかったりする緊急の場合が学期開始直前にあったりするので、指導教官などに自分を売り込んでおくのをお勧めします。

しかし、いい話がきても上記の「研究業績」がなかったら話にならないので、業績に加算できる論文(2本以上)を書いて、いつでも仕事が受けられる状態にしておきましょう!

もちろん、研究業績がなくても応募できる求人も中にはあります。

夏だけの短期指導や、正規の単位認定外の講座の非常勤講師などは問われないようです。

でも、有名な大学は割と非常勤にも研究業績を課している気がします。

余談ですが、研究業績が「論文3本以上」だった場合、博士課程で求められるレベルとそう変わらないです😅 

修士以上応募可と書いてあっても、じつは「博士号」を想定した求人なんだな〜と私は心の中で思っていますよ……

なので、論文を書くスキルが劣らないうち(修士取得後、早めに)修論をまとめて学会誌に投稿しておくのがおすすめです。

運転免許と同じで、やらなくなると技術は衰えます。

車校を卒業してすぐ運転しなかった多くの人は、ペーパードライバー化し運転できなくなりますよね?(←わたし)

論文も同じかと😅

修論書き終わった時が一番脂がのっています!!

そのために、しっかり修論を書くべし!

私が知らなかったこと②:大学の非常勤が稼げるとは限らない

最近まで、大学院に通っていたので大学の学期については把握していました。

しかし、「夏休み、冬休み=無収入」になることを失念しておりました。

これは知っていたけど、気づいていなかった点です(笑)

日本語学校はだいたい4学期制で、学期の間に2週間程度の休みがあったり、GWや年末年始のカレンダー通りの休暇があります。

でも、なんだかんだで最大2週間程度の休暇しかありません。

大学の休暇は1〜2ヶ月。。。

専任の教授たちはその期間も授業外の仕事がたくさんあるので、給与が発生しますが、我々非常勤は授業がなくなるので給与はありません。

だって、働いていませんからね(苦笑)

また、日本語学校みたいに毎日授業は担当できません😅

たいてい一人1コマ~3コマ(1コマ=大学の1限)。

留学生別科はわからないのですが、おそらく、各大学非常勤の担当できるコマ数というのを決めている気がします(勤務時間が長くなると社保加入させる必要がある等、雇用上の制約が存在するため)。

専任の助教、准教授、教授たちも、もちろん授業を担当しますから、担当できる授業コマは限られます。(マンモス大学を除く)

以上のことから、他の仕事と掛け持ちしないと生計は立てられないのが現状です😭

つまり1大学の非常勤だけでは食べていけないため、研究補助のバイトとか、3つぐらいの大学と掛け持ちしたりしてる人が多い。

私も掛け持ちしています。

これは別に日本語教育だけではなく、他の分野でも同様のことが起きているかと……(ポスドク問題とか)。

実際に大学非常勤として働いてみて、1コマの単価は高い(だいたい1万円前後)けど………うん……って感じです…😅(笑)

他のサイトを読んだりや他の先輩にも聞いてみましたが、大学非常勤だけで年収300万以上は厳しいようです。

ボーナスはもちろんありませんから。

日本語学校非常勤と同様、掛け持ちありきのポスト😥

また、代講を立てにくいため、「チームティーチングの初級クラス担当するとちょっと大変かも……」と先輩から言われました。

幸い、今担当させてもらっている授業はチームティーチングでないので、まあ、私になにかあったら休講にできます。

ただ、中間期末試験を一人で実施しなければならないとかプレッシャーが。。。

風邪などが保育園で流行り始めると私はいつも毎日どきどきしています……😥

そして、私の場合ですが、授業時間より往復の通勤時間の方が長くなってタイムロスが……(笑)

院生のときはコロナでオンライン授業だったので、気づきませんでした!

また、日本語学校で勤務していたときは、午前午後の通しで働けたり、午前にA日本語学校、午後はB日本語学校と徒歩で移動が可能だったのですが大学だとなかなかそういうことができません。

大学→大学 or 日本語学校だと、電車に乗って移動になるのでタイムロスが発生……😥

授業時間も中途半端だったりするので、なかなか1日にいろんな場所で教える……というのは物理的に厳しい。。

大学非常勤をやっている人が、夜間の養成講座とかの掛け持ちをしている方が多い理由がわかった気がします。

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まとめ

あと、3点ほどお話ししたいことがあったのですが、かなり長文になりそうなので、続きはその②で😅

ネガティブなことしか書いていないので、大学非常勤のポジティブ面をお伝えすると、

大学の非常勤講師になってよかったこと
  • 時給が高い(1コマ担当すると1万円前後もらえる)。
  • シラバスやカリキュラムを自分で決められる(コースデザイン可能)。
  • わりと自由にやれる。
  • 学生は単位がかかっているので、まじめな学生が多い(大学のレベルによるかも……)。
  • 長期休みが1〜2ヶ月ある。(人によってはデメリット)
  • 大学の設備(図書館など)が利用できる

私の視点ではこんな感じです。

私はいろんな場所で日本語教師としての経験を積むのが目的なので、現状の非常勤ポストでも今は満足しています。

でも、やっぱり長く続けられない気もしています😅

博士号取得した先輩たちですら、専任(任期なし テニュア)のポジションにつけず、ずっと非常勤講師や任期付きの専任をやっている状況なので、大学の世界が明るいとはいえないなぁ……と感じます。

日本語学校に勤めていた頃は「大学はさぞかしコマ級高いから、非常勤でも給与がいいんだろうな〜」と思っていました。

でも、現実はいろんな壁があります

そして、一つ一つの乗り越えなきゃならない壁が高い……(笑)

もし、この記事を読んでいらっしゃる方の中で、私のように大学就職を目指して大学院へ進学したいと思っている方は先述したこもよく考えたほうがいいかと思います。

先述しましたが、アカデミックの世界でキャリアアップしていく(専任を目指す)には、「研究は必須」かと思われます。

時給が発生しない(人によっては自腹を切って調査をする必要がある)研究のモチベーションをずっと意地できるか?

仕事のあと、授業準備に加えて論文を執筆する気力はあるのか?

多くの修士卒業生は、この壁に挫折してしまうそうです。

学会誌に投稿するにも学会の会費(年間約1万+初年度入会費)を支払わなければならないので、出費がかさむのも痛い🥲

あれ?ポジティブなことを書こうと思ったら、いつの間にかネガティブな話に変わっていました😭

ごめんなさい…………

でも、これらの話は誰も教えてくれないと思いますので(笑)

また、現実を知っているのと知らないのでは行動が変わってきますし、それでもやりたいという覚悟をもって飛び込むほうが私はいいと思っています。

しかし、これも私が見聞きしている一部の大学の情報なので、ぜひご自身でも経験者に聞いてみてくださいね。

何度も書きますが、地方大学や私大、国公立大でもやっぱり条件や待遇は違いますので!

ネガティブなことを書いていますが、私自身は戸惑いはあるにせよ、この道に進んだことを一ミリも後悔はしておりません!!

いばらの道ですが、学生や周囲の人から学ぶことが多いので、本当に毎日楽しいですよ(嘘じゃないです)。

この先に何が待っているのかわかりませんが、自分の実力が試されている気がしてワクワクします(笑)

ここで書ききれなかったあと2つの項目は、次の記事で紹介しますので、そちらもよろしければ参考にしてみてください。😀

この投稿が少しでも皆様のお役に立ったら幸いです。

最後までお読みくださり、ありがとうございました!

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