オンラインのレッスンっていくらぐらいに設定したほうがいいのでしょう? なかなか決められなくて…
そうですね…私も非常に悩みました。今もこれでいいのか悩みます…
こんにちは。日本語教師さじここです。
まだまだコロナが収束しそうもなくて、ほんと日本語教師業界は大変な状況です……😥
そんな中でも日本語教師を続けていける一つの方法として【オンライン】が注目されています。
今もitalkiやcafetalkなどのプラットフォームに登録している日本語教師の方は増加しており、【オンライン】でなんとか日本語教師を続けている……
私もその一人で、私はitalkiでほそぼそと日本語を教えています😁
このオンラインプラットフォームに登録したあと、一番悩むことは……
『レッスンの価格設定』
ではないでしょうか?
italkiでは、プロの日本語教師と、コミュニティチューターという日本語教師の資格なしの人が日本語「講師」としてプラットフォームに登録しています。
つまり、レッスンの価格帯がピンきりです…😱
そんな中で、自分はどのぐらいの価格に設定したらいいのか?と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回も、前回の続きのオンラインで予約を増やすポイントとして、私が「italkiを調査した結果」と「価格設定の考え方」についてこちらで紹介したいと思います。
これからオンライン日本語教師として活躍したい方の参考になれば幸いです。
みんなはいくらで教えているのか?
日本語教師としての自分の価値
みなさんは、自分の日本語教師としての「価値」はいくらだと思いますか?
自分の1時間をいくらで売るか?ちょっと考えてみてください。
悩みますよね……なかなか即答できる人はいないと思います。
私もそう聞かれても、すぐ「1時間〜〜円です」と答えられません😅
でも、
「自分の価値っていくらだろう?」
「時給で換算するとどのくらいの値段をつけるべきなのだろう?」
と考えることが、オンラインの価格設定では重要だと私は考えています。
(注:本投稿では人間性についてではなく、労働力としての人の価値について言っていますよ😅)
では、自分の価値ってどうやって決めたらいいのでしょうか?
人の価値も物の値段と同じで、「需要」と「供給」によって決まります。
つまり、「市場の相場」が大切です!
前回の投稿(レッスン予約ほぼ0→毎週予約が入るようになったある方法)でもお話ししたとおり、市場調査がここでも大切なポイントになってくるということです😁
皆さんは、『エンゼルバンク』という漫画をご存知でしょうか?
ドラマにもなった『ドラゴン桜』の作者である三田紀房先生の作品の漫画です↓
どんな漫画かざっくり紹介すると、ドラゴン桜の英語教師の井野真々子が転職代理人の海老沢に出会って、転職代理人に転職する話です。
転職、転職…と出てくるので、内容はだいたい予想がつくかと思います(笑)
これは本当におもしろく、日本の労働制度の仕組みや就職活動、企業の人事について学べる漫画なので、ぜひ一度、日本語教師の皆さんにも読んでもらいたいです!😁
話がそれてしまいましたが、この漫画の冒頭1巻で「自分の価値がいくらか」という話が出てきます。
その中で、転職代理人の海老沢がこんなことを言っています。
社会で成功する第一歩はまず相場を知ることです。
その上でご自分の適正価格を設定してください。
売るのは価格が決まってから……むやみに市場に出しても売れ残るだけです。
『ドラゴン桜外伝 エンゼルバンク』(1) 三田紀房
つまり、市場の相場を知らずに価格を設定してもうまくいかないことが多いということ。
日本語教師も商売で、ある意味サービス業ですから、やみくもに自分のレッスン価格を設定すると後で後悔します。
「え?なぜ後悔するの?レッスン価格なんていつでも変えられるじゃん!」
と思った方、この記事をぜひ最後までお読みください😅
italkiの日本語講師のレッスン価格相場
ここでは、私が登録しているitalkiでの話をします。
italkiが何かわからない方のために、少し説明すると、今日本語教師界隈では人気のオンラインプラットフォームで、世界各国の言語を習ったり教えたりすることができます。
(詳細は、過去の記事→https://sajicoco.com/italki-teacherapply/を参照ください)
italkiの日本語の登録講師はまもなく1,000人を超えます。(2021.12月29日時点で992人)
この記事の冒頭でもお伝えしましたが、italkiは日本語教師の有資格者「プロ講師」と資格を持たない「コミュニティチューター」が在籍しており、割合は「コミュニティチューター」のほうが多いです。
で、ここからが本題ですが、【2021年12月29日現在で】それぞれいくらのレッスン価格でやっているのか調べてみました。
まず、italkiで公開されているレッスンの価格幅は……最低459円、最高は9,184円です。
でも、これはプロ講師とコミュニティチューターが混在している&トライアルレッスンも含まれた金額なので、詳細はよくわかりません😥
そこで、私がランダムにプロ講師とコミュニティチューター35人を抽出し、それぞれの「トライアルレッスン料金」と「1時間あたりのレッスン料金」の平均を計算してみました。
結果はこんな感じです↓
コミュニティチューター | プロ講師 | |
トライアルレッスン料金 | 656円 | 817円 |
1時間あたりのレッスン料金 | 1563円 | 2218円 |
この結果をみて、どうでしょうか?
ご自身の希望の設定価格と比較してみると高いでしょうか?低いでしょうか?
これがだいたいitalkiの講師市場の相場になります。
これを踏まえて、次は具体的な価格設定についてお話します。
自分の適正価格の決め方
その①低めの価格帯
この記事を読んでくださっている方の中には、日本語教師の資格をまだ持っていない or 教授経験がないのでとりあえず場数を踏みたい…という方もいらっしゃると思います。
そういう方は、上記の表の価格(相場)より低めに設定すると学習者の目に止まりやすく、予約が入りやすくなると思います。
ただ、かなり予約数を稼がないと儲からないため、
①授業準備が割にあわない
②学習者の質
の問題が起きやすいですのが難点です😥
①についてですが、自分の提供するレッスン内容の準備する時間も踏まえた、レッスン価格を設定しないと長く続けることができません。
これは日本語学校の非常勤講師にも当てはまります。
時給の割には雑務が多い、拘束時間が長いと辞めたくなりますよね?
オンラインでも同じことが起きやすいです。
特に日本語教師駆け出しの頃は、経験や教案などが溜まっていない状態なので、あれこれ準備しなきゃ!と考え、学習者一人ひとりに教材を準備する……
なので、クラス授業に比べてコスパが悪くなります。
もし、低めの価格路線でいこうと考えているのなら、レッスンをする対象(学習者のレベル)を絞ってレッスンを提供することをおすすめします。
そうすることで、授業の準備物を他の学生で使い回せますので、一つの教材をしっかり作り込む時間ができるでしょう。
また、italkiを調査していてわかったことの一つに、効率よくレッスンをこなしている講師がいることに気が付きました。
そういう人の特徴は、トライアルレッスンの人数が少なく、通常レッスンの予約が圧倒的に多い……つまりリピート率が高く、一人の学習者をコンスタントに教えている傾向があります。
新規学習者のレッスン予約を増やすことも大切ですが、既存の学習者にいかに続けてもらう(リピートしてもらう)かが【オンライン日本語教師】成功の秘訣ではないかと個人的に思っています。
既存の学習者がリピートしてくれるためには、やっぱり毎回のレッスンの満足度が鍵となりますので、【オンラインレッスン】【1 on 1】といえど授業の準備は大切です。
でも、なんでも作り込めばいいと言っているわけではなく、学習者のニーズにあったレッスンを提供できる余裕が必要だということです。
(準備に終われて自分が楽しくない授業は、お互いつまらないです…😅)
『低めの価格設定』のもう一つの問題は②の学習者の質が悪くなることです。
日本語教師の方が発信しているSNSで「学生からドタキャンばかりされる」「出会い系目的の予約が多い」みたいなものをたまに見かけます。
ドタキャンでもお金が入ってこればいいですが、しょっちゅうレッスン予定を要求してきたり、双方のコミュニケーショントラブルのせいにされてお金を払いたくないと言ってきたりされると、レッスン以外のことで頭を悩まされることになってしまいます😥
私は、この「学習者の質」と「レッスンの価格帯」は比例すると考えていて、安くなればなるほど学習者の質が低下し、高ければ高いほど真剣な学習者しかやってこなくなる傾向があります。
例えば……Aセミナーは参加費が無料、Bセミナーは参加費が5000円、AとBも同じ内容のセミナーだとします。
どちらに参加するかと聞かれたら、たいていの人は無料のAセミナーを選ぶのではないでしょうか?
でも、両方申し込んだとき、「サボるとしたらどっちか?」と聞かれたら、多くの人は無料のAセミナーを選ぶでしょう。
価格が安いというのは、顧客にとってメリットですが、離脱要因にもなるのです。
逆に高いお金を自分で払った場合、「こんなに払ったんだから、絶対元を取らないと!頑張らないと!」という気持ちになりやすい。
これは学習意欲にも関係しますので、あまりに価格を安くするのは学習者にとっても講師側にとっても個人的におすすめしません。
自分の適正価格を上記の平均価格帯(相場)よりあまり安売りしすぎないことがポイントです。
その②高めの価格帯
上記を読むと低めの価格設定より、高めで設定したほうがいいと思われるかもしれません。
1レッスンあたりの価格が上がれば、レッスン数がそこまで入らなくても儲けることが可能です。
しかし、お分かりの通り、新規予約は入りにくい…一長一短です……😥
高く設定して稼ぎたいなら、それなりにレッスンの「差別化」や「付加価値」が必要になり、学習者から求められるレッスンの要求も高くなる。
経験がない人が平均価格帯(相場)より高く設定するにはかなりハードルが高いかもしれません……
現に、「コミュニティチューター」が「プロ講師」よりレッスン価格が低いのはプロ講師に比べて差別化したレッスンや付加価値をつけにくいからではないでしょうか?
でも逆に、他の人に負けない、真似できない強みがあったらレッスン価格を相場より上げていいということです!!
ざっと登録講師のプロフィールをみたところ、英語が話せる人は多いですが、その他の言語を話せる登録講師は少ないため、例えば「韓国語で日本語文法を説明できる」というのは付加価値になります。
特にゼロ初級の学習者とレッスンするときは、指示や補助的な説明を英語やその学習者の言語で話す必要が出てきますので役立ちます!
実際、私はゼロ初級の対面授業のときはジェスチャーや他の学習者の力を借りて指示を理解させることが可能でしたが、オンライレッスンは英語を使わないとうまく指示が伝わらない場合が多々あり新規のゼロ初級の学習者にはドキドキします😅
オンラインはWi-Fi、パソコン機器トラブルも起こりますので、相手の母語を話せるとレッスンもスムーズにできてお互いストレスなく楽しめるかと。
レッスン価格を高めで設定したい方は自分の付加価値ぜひ探してみてください😁
結論
ここまで読むと、
「じゃあ、一体どうしたらいいんだ!?(怒)」😩ってなりますよね…?
もったいぶって、すみません…😅
私なりの結論を述べますね。
私はとりあえず『平均価格(相場)+100円程度』でレッスン価格を設定しています。
「+100円」にしたのは、ビジネス日本語を教えられる付加価値があると自分で考えたからです。
そういうことも踏まえて「ビジネス日本語のレッスン」は「価格を高め」に設定しています。
しかし、他の初級、中級のレッスンは『平均価格(相場)』でやっています。
「ん?どういうこと??」と思った方……
italkiは自分でレッスンコースを作成してそれぞれに価格を設定できるんです!😁
たとえば、
『会話コース』は準備不要だから価格を平均以下にする。
『初級コース』は準備時間を考えて平均価格にする。
『JLPT』コースは需要がありそうだから、価格を平均より高めにする。
みたいな感じでそれぞれの価格を決めてみてはどうでしょう😃
この機能をうまく利用してそれぞれのレッスンの価格を設定すると、リスク分散にもなりますのでおすすめです。
この方法のメリットとして、人気のあるレッスンコースの価格を上げたり、人気のないコースの価格を下げたりしやすい。
でも、一度決めたレッスン価格を上げるのはかなり慎重になったほうがいいです。
急にレッスン価格を上げると、せっかくの固定客が逃げてしまう可能性が高くなります…😥
英語のオンラインレッスンをしている方のTwitterで「急に講師が値上げしてきてショック…他の先生に乗り換えようかな…」というものを見たことがあります。
実際に学習者の立場になると、やっぱりそういう心境になりますよね😥
固定客がついていて、価格を値上げするなら事前告知をするのがいいです。
また、値段を上げたり下げたりを頻繁に繰り返すのも顧客(学生)の信用がなくなる危険があるので、値段の変更はぜひ慎重に行ってください。
まとめ
長々と説明した割には、結局「『平均価格(相場)』かよ!?」って思われましたかね😅
すみませんでした……でも、これが物事の値段の決め方の基本なのではないでしょうか?
私個人としては、プロ講師である日本語教師の皆さんには、「平均価格(相場)」よりレッスン価格を安く設定してほしくない、ご自身の日本語教師としての時間を安く売ってほしくないです。
今、コロナ禍で苦境の日本語学校の非常勤講師のコマ給はまた2000円以下になりつつあります。
私が日本語教師になった6年前はコマ給1500円が普通で、やっと最近になって2000円に上がったのですが、コロナのせいでまた振り出しに戻ってしまいました😥
オンライン授業が主流になってきたこの1、2年で、時給1300円程度で日本語教師をオンラインレッスンで働かせようとしている企業や日本語学校も出てきています。
日本語教師の市場相場は下がってきているといえます……😰
先程も申しましたが、オンラインといえど授業準備は必要になりますので、交通費はかからなくても、楽な仕事ではないのです。(人間関係的には楽ですが…(笑))
「自分の適正価格」の話をしましたが、この記事を読んでくださっている方には予約が入らないからと言って、ご自身をむやみに安売りしてほしくないと思っています。
一度自分に安い値段をつけたら、そこからなかなか抜け出せなくなります。
価格を上げるのは、下げる以上に大変です。
先述したとおり、今までレッスンを予約してくれた学習者がいればいるほど、その存在が気になりレッスン価格を上げられないのです。
お金に余裕があり、副業程度で始めている方なら、あまりこの話は関係ないかと思います。
でも、日本語教師一本でやっていきたい!がんばりたい!という方は、「稼げない」ことがストレスになりますから、ご自身の安売りにはどうか慎重になってください。
italkiの登録講師は1000人に達します。
数年前には考えられない数字です。
でも、「日本語を勉強して日本に来たい!」と思ってくれている学生は世界中にいますから、みなさんがそういう学生とご縁があるように願っています。
そのご縁が少しでもこの投稿でつながったら幸いです。
また、noteでもブログに書けなかったことを書いていますので、こちらもぜひお読みいただけるとうれしいです😃
長々と最後までお読みくださりありがとうございました!
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