日本語教師の人は外国人に日本語ってどうやって教えているのですか?外国人の同僚に日本語を教えてほしいと頼まれたのですが…
わかりました!では今回は日本語の教え方についてお伝えしますね!
直接法と間接法
さて、今回は、《日本語文法の教え方》について、
ざっくり説明したいと思います。
日本にある日本語学校の多くは、文法を【直接法(Direct method)】
で、教えています。
【直接法(Direct method) 】というのは、
「習得したい言語を媒介語を使わずに習得する」
方法で、簡単に言うと「日本語を使って、日本語を教える」ことです。
その反対が【間接法(Indirect method) 】で、これは日本の中高の英語教育
みたいに、「日本語を使って、英語を教える」などのことです。
たとえば…中国人の日本語教師が中国で日本語を教える場合『中国語を使って日本語を教える』。
これも間接法になりますよ。
別に英語に限定されているわけではなく、その他の言語を媒介に教える場合は全て間接法になります。
え?!日本語で日本語を教える!!??どうやって?
絵を使って教えます
直接法の教え方
「え?!日本語で日本語を教える? どうやって???」
と思われるかもしれませんが、
幼児教育のように、『絵』を使って、ひたすら日本語を浴びせます。
「絵」を使うなんて想像ができないんですが…
そうですよね。学生は絵と耳を使って日本語を習得していくんですよ。
ゼロスタート(全く日本語が初めての人対象)の初級クラスでは、まず『自己紹介』と『挨拶』と『ひらがな』を教えます!
たとえば…
「はじめまして。私は____です。どうぞよろしくおねがいします。」
このフレーズを、ゆっくり単語ずつからリピートさせて、
文にしていき、つなげます。
「どうぞよろしくおねがいします」はちょっと長いので学生によっては、なかなか言えません。😅
何度も覚えるまで練習し、ペアで自己紹介しあいます。
↑これができるまでだいたい5分〜10分かけます。(学生にによりますが)
「え?毎回こんなことを? こんなんじゃ、いつまでたっても進まないじゃん!」
と思いますよね😅
だから、一日導入する文法は学校のカリキュラムによりますが、だいたい1〜2個
ぐらいです。😃
以前の投稿(日本語学校のスケジュール)でも説明しましたが、
一日の授業は、45分授業×4コマ(学校によって50分だったり)で、
漢字1コマ、文法2コマ、残り1コマを聴解、読解、作文などにしています。
つまり、留学生は日本語学校に丸一日通っているわけではなく、
授業は午前か午後のどちらかしかないのです。
日本語を日本語で学ぶのは学生も大変だろうな…
そうなんですよね。脳がとても疲れますし、学生によっては合わないから間接法がいい!って転校する人もいました
具体的な教え方(直接法)
では、もっと具体的な話をしましょう。😃
この絵を見て、会話を想像してみてください。
ここはどこだと思いますか?
カフェ??
そうです!カフェです!
こんなかんじで、絵を指しながら、こんなやり取りをして、
学生にシチュエーションを想像してもらいます。😃
実際の授業では以下のように↓学生とやりとりします😁
先生:ここは?(→絵を指しながら)
学生;カフェ?
先生:そうですね。カフェです。
学生:これは?(→カップを指しながら)
学生:コーヒー?
先生:そうですね。コーヒーです。じゃあ、これは?
学生:Sugar?
先生:(女の子を指しながら)すみません、これは砂糖ですか?
(店員を指しながら)いいえ、それは砂糖じゃありません。塩です。
こんなかんじで、学生とやり取りしながら、文法を導入していきます。
(この絵は「これは__です。」「それは___です。」の文法導入です。)
英語で日本語を教えない理由
え?どうして『英語』で教えないんですか?非効率では?
私も、日本語教師になるまではそう思っていました!😁
日本語学校に来る学生って、英語が話せる学生ばかりじゃないんですよね。
『英語』を話せるなら、日本に来ないよ!!
って中国の学生に言われたこともありますし、
実際、日本人だってみんな英語を話せませんよね?😅
私自身も、英語が話せるかというと、旅行に行って困らない程度レベル…
それに、「英語」では伝えられない語彙もたくさんありますから、
日本語で教えるほうがよかったりします。
絵を使う=準備大変?
授業で絵をたくさん使うってことは、準備が大変そう……
はい。とても大変です。😥
この絵も自分でかきました。(笑)
日本語教師をしている人は多分、「イラストや」さんに大変お世話になっているかと……(汗)😅
昔は、一枚一枚絵を手書きしていたようですが、
今は、絵カードも印刷で大量に作れますし、パワポやkeynoteで
プロジェクターで投影できるので、随分コストも時間も削減できます。
絵教材もCDーROMで販売されていたりもします。😁
そのへんは日本語教師の方はうま〜く利用して準備をしています。
だから自分で手描きする必要はあまりないので、
絵が下手でも大丈夫!!
私が持っているのを紹介すると…
これ↓とか…
これ↓とか…😁
実際の授業で私は、ipadを使って絵を投影し授業をしています。
でも、授業準備にものすご〜く時間がかかるのは変わらないです。
特に日本語教師なりたてのときは、本当に大変でした。😅
絵教材から、文法の使い方や注意事項、意味など調べたり、教案を書いたり…😥
初めの頃は、一日4コマの授業準備に、半日〜丸一日かかってましたね……(泣)
日本語教師は、『自分の書いた教案が貯まるまでの数年が大変』と、
日本語教師養成講座の先生が言ってましたが、
実際そうだと私も思います。
個人的に、日本語教師はデザイナーや職人だと思っています。😅
「でも、日本語教師の時給って高いでしょ?」って思っている方がいると思いますが、残念ながらそんなことはありません……(泣)
詳細はこちらの投稿↓を参考にしてみてください!
確かにコンビニアルバイトよりは高いですが、だいたい1800円〜2000円ぐらいです。
(↑勤める学校や教授年数などによって異なる)
でも、準備の時間を加味すると、『時給100円?!』じゃん!
って、思ったときもしばしばあります。😫
授業準備だけでなく、宿題の添削や、テスト作成などもありますから、
「授業以外のほうが大変だね」って言う方もいます。(私もその一人…)
日本語教師も『教師』ですから…ある程度は仕方ないとは思いますけど、
もう少し待遇がよくなるとうれしいな〜
なんて……😅
私の教案の書き方や授業をするときのポイントなどを今後発信していきたいと思いますので、ぜひそちらもご覧いただければと思います♪
まとめ
今回は直接法(と間接法)を中心にお伝えしました。
国内の日本語学校では基本直接法で教えることになるので、日本語教師は直接法を習得したほうがいいでしょう。
また、直接法は教師側が自分の言葉に制限をかけて学生とやりとりする必要があったり(ティーチャートーク)、
語彙を教えるときも自分の教えるレパートリーを増やしておく必要があったりと、
準備が大変ですし、慣れるまでがしんどいかも…😅
でも、直接法でたくさん日本語を浴びた学生は「聞く力」や「話す力」がとても鍛えられます!😁
だいたい3ヵ月もすれば、ひらがなも書けなかった学生が自分の趣味や国についてのスピーチができるようになり、
日常生活レベルの語彙や文法をマスターするんですよ!!
これってすごくないですか!?
私は毎回その成長に感動します😊
今回もお付き合いいただきありがとうございました。
にほんブログ村
コメント